ファーノの町で飲み食い三昧
アドリア海沿岸の町マルケ州ファーノのつづき。
普段はあまり食べ物について取り上げないけれど、5泊もしたので(最後の1泊は交通ストのため延泊)、いろいろとレストランやバールをめぐることができた。
超高級店はなくても、満足できる店ばかりなのが、イタリアの地方都市のいいところだ。
イタリア人は基本的に皿のシェアをしないけれど(大皿の前菜やビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ<フィレンツェ風Tボーンステーキ>などは例外)、最近は外国人旅行者によるシェアの要望も当たり前のように受け入れられるようになってめでたい限りである。
前菜もパスタもメインもシェアすれば、いろいろ楽しんで腹いっぱいになり、値段もそこそこ。メインまで食べると、店の人も喜んでくれる。
上の写真は、宿のそばにある人気の前菜屋の一皿。これがミニサイズ(ピッコリーノ)。だいたい2人前。
ここは旧市街のやや高級店レ・チェザリーネ Le Cesarine。予約なしで行ったら「きょうは満員」と言われたけれど、よく聞いたら店内なら空いているという。
どの店も店外(テラス席というより道端席)のほうから埋まっていくのが興味深い。
ファーノは港町でもあるので、海の幸もいろいろ。イカスミのパスタを注文したら、こんなおしゃれな料理が出てきた!
「イカスミを頼んだんだけど……」といったら、にっこり笑って「これがそうですよ」と。
上に乗ったものをどけると、よく見かけるイカスミのパスタが顔をだした。
「食後酒は何がある?」と聞くと、「食後酒というわけではないけれど、モレッタ・ファネーゼはどうですか」という。
これがファーノの名物の飲み物だった。リキュールとコーヒーと砂糖(店によってはさらにブランデーなど)を加えてレモンの皮を入れた一品。
漁師が暖をとるために考え出したとのこと。スプーンでかき混ぜてから飲む。
最終日には旧市街を出て海岸あたりをぶらぶら散歩。
これが、モレッタ・ファネーゼ発祥の店といわれる港近くのカッフェ・デル・ポルト Caffè del Porto。モレッタ・ファネーゼ用のリキュールまで買ってしまった。
カフェ・デル・ポルトでは、昼間からドロミティビールと飲んで、おつまみにアスコリ風オリーブ(オリーヴェ・アッラッスコラーナ)。
種を抜いたオリーブに肉を詰めて揚げたもの。アスコリ・ピチェーノの名物だけど、今回はマルケ州のあちこちで(ローマ空港でも)食べることができた。ビールのおつまみに最高!
ファーノに滞在した5泊のうち、4日通ったバー。
店の夫婦とすっかり仲良くなって、最後にはワインをプレゼントしてくれた。
交通ストライキのおかげで延泊した夜に行った店、ガットパルド Gattopardo。
山猫を意味する店名の由来は、シチリアを舞台にした有名な映画ではなくて、おじいさんが所有していた漁船の名前だったという。
入口は高級店っぽくてやや緊張したけれど、中に入ると庶民的だった。
メインに頼んだイカの串焼き。日本とは味付けがまた少し違って美味だった。
この店で食べていると、近くに座っていた地元の初老夫婦に、「ジャポネーゼ(日本人)?」と声をかけられた。
そうだと答えると、「やっぱり! 雰囲気や言葉でそうだと思った」という。
彼らの親しい知人に日本人女性がいるとのこと。その後は、ああだこうだと店の人も交えて大騒ぎ。SNSで友だちになりました。
最後に、ざくろの生搾りジュースを提供するバール。ミックスジュースも多種揃っていた。
こうした田舎町ならば、ちゃんとしたレストランでも、ワインを500~750cc頼んで2人で60~70ユーロ程度。高級な店でも90~100ユーロだった。
なんといってもワインが安いのが大きい。ローマ、ミラノ、ヴェネツィアだと、同じ質と量で2倍以上するかも。
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