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2025年4月の2件の記事

2025-04-18

台湾鉄道・台東旧駅でありし日を偲ぶ

台東(新)駅からバスで20分ほどで台東の中心部へ。
ここには、廃駅となった台東旧駅が「鉄道芸術村」として保存されているというので訪ねてみた。
バスの終点が、まさに昔の駅前だった。

台東旧駅

現役時代さながらの雰囲気を残していていい感じ!
調べてみると、2001年に台南新駅からの支線が廃止された時点で廃駅となったとのこと。
「つい最近じゃないか!」と思ったけれど、よく考えてみると廃止から四半世紀もたっているのだった。

東急車輛製のディーゼルカー

保存されている車両は日本製っぽいなと思って銘板を見ると、やはり1971年東急車輛製のディーゼルカー。

台東旧駅の駅名標

ホーム跡には駅名標も残されて雰囲気満点。

台東旧駅のターンテーブル

もったいないくらい広い構内がそのまま残されていて、ターンテーブルもあった。

台東旧駅

台湾人の若い観光客もちらほら。SNS映えするのだろう。

台東旧駅

これが駅の改札口らしい。
1970年ごろまでは北回りで台北から花蓮を経由して、はるばるやってきた終点が台東だった。
しかも、狭軌の軽便鉄道。鉄道ファンの先達が撮った写真を見ると、たまらなくいとおしい光景が展開されていたようだ。
寝台車もあったというから、まさに地の果てのようなイメージだったのだろう。南回り線ができてからは、台南や高雄から山越えでわずか2時間ほど。町も大きく変わったに違いない。タイムマシンがあれば、軽便鉄道が走っていた時代に訪れてみたい。本当に。

2025-04-06

台南から特急列車で台東へ

台南から高雄に行こうと、やってきた特急列車に乗車したときのこと。
特急列車の自強号でもICカードで乗れるという情報は手に入れていた。だが、新自強号はダメだとは知らなかった。
そんなこともつゆ知らず、乗った列車が台東行きだと知って、「せっかくだから台東まで行ってしまおう」と妻と意見が一致した。

新自強号

検札に来たお姉さんにICカードを見せて「台東」と言うと驚いた顔をされた。
そこに至って、自強号と新自強号の違いを知ったのだが、乗ってしまったものはしかたがない。
割増の乗り越し料金を払わされたけれども、台東まで乗っていくことにした。

台東駅にて

台南から台東までは2時間あまり。南廻り線は山地をトンネルで抜けると、やがて車窓に太平洋が広がった。
まあ、これを見ただけでも割り増し料金を払った価値があると、勝手に自分に言い聞かせた。

1枚目の写真は乗ってきた新自強号、2枚目の写真はローカル列車用の車両である。

台東駅にて

ところで、台湾ではどの町の公共交通機関でも、普通話(北京語)、台湾語、客家語、英語の4言語で案内をする。
ところが、台東到着直前、まったく別の言語での案内があって驚いた。

台東駅

フィリピンのタガログ語のような響きだったが、それが台湾先住民族の言語なのだろう。
あとでWikipediaを読んだところ、どうやらアミ族の言葉のようだとわかった。もしかしたら、ブユマ族の言葉かもしれない。
帰りの車内放送にはなかった。行きに録音しておけばよかったと悔やむが、知らなかったのだからしかたがない。

台東駅

駅を出ると、漁業の技術に優れた先住の少数民族の漁船が飾られていた。売店で、そうした人たちが獲ってきた魚を原料にしたスナック菓子を買ってみた。なかなかの美味である。

市内へ向かうバス

台東駅前からバスで台東の中心部に向かう。
都市間バスのほとんどすべてが駅と中心部を経由しているようで、10分おきくらいに頻繁に発車する。
観光バスのような派手な塗装のハイデッカーバスがやってきた。

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著書

  • ローカル鉄道と路線バスでめぐる
    果てしなきイタリア旅 (草思社)
  • 辞書には載っていない⁉ 日本語[ペンネーム](青春出版社)
  • 社会人に絶対必要な語彙力が身につく本[ペンネーム](だいわ文庫)
  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
  • 『日本懐かし駅舎大全』(辰巳出版)
  • 『鉄道黄金時代 1970s──ディスカバージャパン・メモリーズ』(日経BP社)
  • 『国鉄風景の30年―写真で比べる昭和と今』(技報堂出版)
  • 『全国フシギ乗り物ツアー』(山海堂)
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