ラヴェンナでモザイク三昧(上)
フォルリ滞在の3日目の日中に向かったのはモザイクで有名な世界遺産の町ラヴェンナ(Ravenna)である。
ラヴェンナへは、フォルリからの路線バスが1時間に1本ほどあることは調べがついていた。
だが、フォルリからのバスはラヴェンナの町の南側までしか入らないので、そこから旧市街まで7、8分ほど歩かなくてはならない。
そんなことがわかるのもグーグルストリートビューのおかげである。
ラヴェンナの旧市街の中心にあるポポロ広場。フォルリの広場のほうがずっと広くて立派だが、こちらはなんといっても世界遺産の町である。そこはかとない風格が感じられる。
ラヴェンナの町は、ビザンツ帝国(東ローマ帝国)の主要都市で、5世紀から6世紀にかけて、ビザンツ芸術の最高峰とされるモザイクが数多く残された。モザイクファンにとっては巡礼の町である。
オーバーツーリズムが問題になっている今日、もしかするとモザイクが見られる教会も予約制だといけないので、フォルリ出発前にネットで調べておいた。すると、華麗なモザイクが見られる市内の5カ所の教会や博物館をまわれる周遊パスを見つけることができた。
現地で当日券を買うこともできるそうだが、前もってネットで購入しておくことで手間が省けてよかった。
モザイク巡礼の前に、ダンテの墓にお参り。「神曲」の作者としてイタリアでは知らない人はいない大詩人である。
私は大学生時代に冒頭の一節を覚えたおかげで、イタリアでそれを暗唱するとかなりウケる。まあ、外国人が日本にきて「源氏物語」や「平家物語」の冒頭を語るようなものだろう。
ちょっとあざといが、そんな武器も持っておくとイタリア人との距離がグンと縮まるのだ。
まず入場したのが、ネオニア洗礼堂である。上の写真の右側の建物だ。八角形の外観が印象的である。
入口にいる係員が、スマホにダウンロードしたQRコードを読み取って中に入れてくれる。
内部の天井には、天使の姿や聖書に登場する人物が描かれている。
フレスコ画と違って、モザイクは年月がたっても輝きを保ち続けている。
椅子に座って天井を眺める人びと。壁にもさまざまな絵が描かれている。
もっとじっくり見ていたいのだが、先を急ぐのでほどほどにして外に出た。
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