西表島 路線バスで村めぐり(11)干立
西表島の海岸沿いには戦前からいくつかの集落があったが、マラリアや戦争で廃村を余儀なくされたところも多い。そんななかで、西側の干立(ほしだて)、祖納(そない)は古くから残る集落なのだそうだ。
干立は、島を周遊する県道を走るだけでは、フクギ(福木)の林に視線を遮られて集落の様子がうかがいしれない。
バス停の周囲には心細くなるほど何もなく、集落へは細い道を入っていく。
こんもりと繁ったフクギが南国の強い日射しをさえぎるので、ぶらぶら歩きをするにも涼やかで気持ちがいい。
ぽつりぽつりと家屋があるのだが、これは県道に近いところにあった赤瓦のお宅。
こぢんまりとしたホテルやダイバー向けの宿が点在する集落をつっきると、美しい星立海岸に出た。
朝、この海岸を散歩すると、イリオモテヤマネコの足跡が見られるとか。
海に向かって建つ小さな干立御嶽。こうした聖域(御嶽)を沖縄本島の言葉ではウタキというが、八重山方言ではオンと呼ばれている。
海に面しているのは、海の彼方から神様がやってくるという意識なのだろうか。
この干立御嶽は、国指定重要無形民俗文化財「西表島の節祭」の中心となっている。
村はずれには別の聖域があり、その登り口に馬がいた。
Googleマップによれば、「うぃぬうがん」というのだそうだ。これは沖縄本島の言葉の知識でいうと、「上の拝み(礼拝所)」ということかなと想像する。
馬はというと、私にちらりと視線を投げてよこしたものの、たいして意も介さず、黙々と草をはんでいた。
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