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2011-02-18

ウランバートル駅 1985年

1981年のシベリア鉄道乗車(ナホトカ~モスクワ)に引き続いて、1985年にもシベリア鉄道に乗った。
ルートは北京発モンゴル経由モスクワ行き。1週間の行程である。
今回は、そのなかからウランバートル駅に停車中の写真。

ウランバートル駅

確か、1時間ほど停車していたと思う。
駅舎はがらんとしていたが、思っていたよりもずっと近代的だった。
そして、何よりも印象的だったのが、これ。

ウランバートル駅

人民服を着たおじさんたちが、駅舎をバックに楽しそうに記念写真を撮っている。
当時の中国で、国外に出て活動をするのだから、おそらくある程度高位の官僚ではないかと思う。
それまでは中国の役人というと、堅苦しくて融通が利かないという印象があったが、みんな子どもみたいにはしゃいでいた様子を見て、そんな先入観が一挙にくつがえされた。

ウランバートル駅前

駅のホームには改札はもちろん、塀も柵もなく、どこからでも外に出られる構造になっている。
そこで、さっそくカメラを持って駅前の写真をとることにした。

ウランバートル駅前

駅は町の端に位置するために、人通りも少なく、閑散とした印象があった。
ネットで写真を見ると、駅舎自体はほとんど変わっていないようだが、駅前はすっかり変わってしまっているようだ。再訪したらびっくりすることだろう。
みんながあまり記念写真を撮っているものだから、私もつられて同じ列車に乗り合わせた人に頼んで1枚撮ってもらった。

ウランバートル駅前

だんだんと大胆になって、同乗の人たちと一緒に、バックに写っている建物まで出かけていった。
そこではパンを売っていたので、買ってみたいと思ったが、モンゴルの金がない。
食堂車でドルで支払ったときのお釣りの小銭を思い出して、差し出したが、店員は受け取ろうとしない。
どうやら、あまりにも小銭すぎて買えないようである。
相手にしたら、モンゴル語もわからない外国人がやってきて、小銭を出してわいわい言うのだから、さぞ迷惑だっただろう。

ウランバートル駅

店の外に出ると、ウランバートル駅の全景が見える。
まるっきり逆光だったが、記念のためにと撮ったのがこの写真である。
駅舎の左横には、停車中の車両の影が見える。

さて、戻ろうかと思ったときに、たまたま通りかかったのが、下の写真のご夫婦(たぶん)である。

ウランバートル駅前

「カッコいい~」
思わず叫びそうになった。
まさに、写真でしか見たことのなかったモンゴルの衣装! 伝統的ながら新鮮。
そのまま、ファッションショーで使えそうな服である。帽子もいい。
素材もよさそうである。はたして、何か祝い事でもあったのか、それともほんの普段着なのかわからないが、失礼も省みず思わすパチリと写真を撮ったのであった。

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著書

  • ローカル鉄道と路線バスでめぐる
    果てしなきイタリア旅 (草思社)
  • 辞書には載っていない⁉ 日本語[ペンネーム](青春出版社)
  • 社会人に絶対必要な語彙力が身につく本[ペンネーム](だいわ文庫)
  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
  • 『日本懐かし駅舎大全』(辰巳出版)
  • 『鉄道黄金時代 1970s──ディスカバージャパン・メモリーズ』(日経BP社)
  • 『国鉄風景の30年―写真で比べる昭和と今』(技報堂出版)
  • 『全国フシギ乗り物ツアー』(山海堂)
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