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2010-04-16

地元インド人用観光バスに便乗した話 1989年

1989年インド、オリッサ州
マドラス(チェンナイ)から夜行列車でやってきたインド東部オリッサ州のプリー。
海辺の宿に荷物を置いて、さて町歩きをしようか、それとも有名な太陽神寺院のあるコナーラクに行ってこようか迷っていると、なぜかそばに停まっていた観光バスから男が降りてきた。
「コナーラクに行くのか? 安くしておくよ。○○ルピーでどう?」

おう、その程度の金額ならば、バスターミナルまで行ってバスを待つ手間を考えれば安いもの。
即座にOKして乗り込んでみると、乗客の視線がひととき私に集中する。
どうやらお上りさんインド人観光客のためのバスだったようだ。
車掌にすれば、タバコ代くらいの小遣い稼ぎにはなったに違いない。

オリッサの海岸にて

言われるままに最前列に座ると、隣の席のおばあさんが、うさんくさげに私をちらちら見る。
しまいには、知人らしい近くの男性と席を代わってしまった。
男女席を同じうせずという教育で育ったのかもしれない。

バスはまもなく発車。コナーラクまでは約1時間の道のりなのだが、途中の海岸で20分ほどの休憩があった。
乗客はバスから降りて、海を見つめたり、ジュースを飲んだり。
私も、バラックのような売店で、少年が揚げているサモサを頬張った。

オリッサの海岸にて

そのとき撮ったのが、今回の2枚のエセ芸術風写真である。
カメラ2台を持参して、ミノルタの一眼レフにはカラーポジ、フジカGS645にはモノクロのブローニーフィルム。
今くらべてみると、やはりモノクロのほうが味わい深い。
それにしても、3月の暑い南インドで重いカメラを2台も持って(しかも交換レンズまで)歩き回っていたのだから、いやはや元気だった。

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蔵出し旅写真(海外編)」カテゴリの記事

コメント

ジョバさん、ピンクの「!」(あ、形がちょっと似ている……)は、「誰かに知らせたい」と思っていたら、なぜかジョバさんのことが思い浮かんだんです \(^o^)/

ホント、フィルム時代は渾身の一枚を写していましたね。
とくに、ブローニーフィルム(この写真のカメラはセミ版だから15枚しか撮れない!)は、「ここぞ!」というところしかシャッターを押しませんでした。
もっとも、そのおかげで「なんであそこを撮らなかったんだよ!」と今になってホゾを噛むことはありますが。

minaさん、泊まりがけの仕事があってコメントが遅くなってしまいまました。
いい写真でしょう。
昔は写真の腕がうまかった……。

駄菓子さん、こんばんは♪
ピンクの「!」のお返ししようと思ったら
(そうゆうネタがあったワケじゃないんですけど(^^ゞ )
ええ〜!インド行ってたの?って、ビックリ早合点(笑)

「蔵出し旅写真」う〜ん、そりゃイイ企画だ♪
そうそう、昔はフィルムで、貴重な渾身の1枚を撮ったものです
そう思うと、デジカメで撮る写真は「気」が抜けてるとつくづく思います(TOT)/

いい写真ですね、まるで映画の一場面です。

「ウモッカ」ですか。それは知りませんでした!
伝え聞くところによると、最近ではこのあたりの宗教対立が激しいとのこと。プリーは聖地の一つですからね。
今気がついたんだけど、この観光バスの乗客は山のほうの人だったのかも。あれほど飽きずに何もない海を見つめていたんですから。

オリッサ州の浜辺といえば、近年、謎の生き物「ウモッカ」で局地的に盛り上がってますよね。僕も行ってみたいんですよ、あのへん。

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著書

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    果てしなきイタリア旅 (草思社)
  • 辞書には載っていない⁉ 日本語[ペンネーム](青春出版社)
  • 社会人に絶対必要な語彙力が身につく本[ペンネーム](だいわ文庫)
  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
  • 『日本懐かし駅舎大全』(辰巳出版)
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