立山カルデラ砂防体験学習会
10月21日、立山カルデラ砂防博物館が主催する「立山カルデラ砂防体験学習会」に参加した。
これは、日本有数の大規模崩壊地である常願寺川上流----いわゆる「立山カルデラ」で、実際に砂防工事をしている現場を見学するというものである。

一般の人間が立ち入れない区域に入り、自然の脅威を目の当たりにできるということ、そして工事用の専用軌道に乗れるというのが魅力の体験学習会だ。
私と妻が抽選に当たり、本当ならば春に行くはずだったのだが、土砂崩れで延期。
ようやく晩秋になって機会が得られたというわけだ。
春の黒四ダム見学会に続く、立山黒部秘境めぐりである。
参加者は約40人。立山駅近くにある博物館に集合して、いろいろな説明を受けたのち、いざ専用軌道に乗って出発進行である。

専用軌道は、トロッコファンにとっては「立山砂防軌道」として知られているもの。
軌間610ミリの工事用トロッコである。どうやら、これがお目当ての客も何人かいるようだ。
実は、私は30年近く前に乗った経験があるのだが、そんなことはおくびにも出さず、素人っぽく振る舞った。もちろん、カメラはコンパクトサイズである。
30年前にくらべて、軌道も施設もずいぶん整備されたという印象だ。工事の人のためにはもちろん、体験学習会の一般客が来るので、やはり安全には力を入れているらしい。
がけっぷちを走っていたと記憶している区間のかなりの部分が、トンネルに変わっていたのもしかたがないか。
それでも、18段のスイッチバックで、一気に高度を200メートルかせぐ樺平(かんばだいら)の雄大さは健在であった。

そして、終点水谷からは、いよいよ徒歩とバスとで、立山カルデラの内部に足を踏み入れる。
予想を越える崩壊ぶりは、かなりの感動である。
江戸時代の大地震、そして1969年の大水害で大崩壊した個所、さらにはいまでもときどき崩壊しているという個所が、もう至るところにある。
この写真では、中央に小山が取り残されているが、1969年の崩壊の前は、その左右にもずっと同じ高さで壁のように尾根が続いていたのだとか。
残った部分が崩壊しないように、土を固め、砂防ダムを作り、木を植えて、土砂が動かないようにしているという。
「これを放っておくと、土石流となって、富山市は壊滅的な被害を受けることになってしまいます」と聞き、自然保護といったことばを超越したその努力に、これまた心を動かされた。
NHKの「プロジェクトX」は黒四ダムがお好きなようだったが、そのすぐそばに、こんないい題材があったのに。
見学会は朝9時半から夕方17時ごろまで続き、立山温泉の跡も見ることができた。
さすがに最後はぐったりしたが、実に有意義な一日であった。
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