宿泊地の台南から高雄へは、台鐵(在来線)で1時間弱。高鐵(新幹線)の台南駅は都心から遠いうえに、高雄は手前の左営が終点。だから、台鐵で往復するのが便利で安価である。ICカードの悠遊カードも自動改札で使える。

高雄駅は前回訪れたときとは激変。新しい駅は上の写真のように広々としたコンコースが印象的だった。
もっとも、コンコースに売店も喫茶店もなかったので、落ち着くことができなかったのは残念である。
旧駅の駅舎は、新駅の隣に保存されていた。まだあちこち傷んでいたので、これから修復するのだろうか。

これは、地下鉄(MRT)の美麗島駅のコンコース。たまたまネットで見つけたので立ち寄ってみた。
「世界で二番目に美しい地下鉄駅」というキャッチフレーズがあるそうだ。
ナポリの地下鉄でも美しい駅があったけれども、どちらがいいかというのもヤボなものである。
SNS映えするからだろう、多くの人がここで写真を撮っていた。

地下鉄で終点の哈瑪星へ。ここでは、前回書いたように鉄道ワンダーランドでしばし楽しんだのちに、日本家屋が残る町をぶらぶら。
そして、船で対岸の旗津島へ10分ほどのプチトリップ。

旗津老街では海産物の店が軒を連ねていた。商店街を抜けると海岸近くにはびっしりと屋台が並んでいる。
なかでも、新鮮なものを扱っていそうなおばちゃんのところで、焼きイカを注文。時間をかけてじっくりと焼いてくれて、たれに加えて唐がらしもたっぷり。なかなかうまかった。

帰りの船は、行きとは別のコースで西子湾へ。歩き疲れたのでGoogleマップでよさそうな喫茶店を探し当てた。
とはいえ、それまで台南で飲んだコーヒーは、どこも今一つというのが正直な感想だった。
ハンドドリップで、そこそこおしゃれな店もあるのだが、味がイマイチ。端的にいえば薄いコーヒーばかりだった。
まあ、台北に行けばおいしい店もあるのだろうが……。

だが、「亨利咖啡」というその店に入ってびっくり。店内はゴージャスで落ち着いた内装である。
接客してくれたマスターが、メニューについて丁寧に英語で説明してくれる。
何よりも驚いたのが、正面に据えられていたイタリア製の最高級エスプレッソマシンだ。全部で3種類3台のマシン。
日本やヨーロッパでもコーヒーの勉強をしたというマスターがいれてくれたコーヒーは、それまで台湾で飲んだコーヒーのなかでもピカイチである。
以前イタリアで撮ったエスプレッソマシンの写真を見せたら、もう話が止まらない。最後に、このマシンで入れてくれたエスプレッソまでごちそうしてくれた。それはそれは、イタリアでもめったに飲めない一品だった。

コーヒーを飲んでのんびりしているうちに日はとっぷりと暮れた。
地下鉄の駅までぶらぶらと歩いていくうちに、通りかかったのがこの「哈瑪星代天宮」という大きな道教の寺。
境内に屋台がいくつもあるのだが、驚いたことに半分くらいが臭豆腐の店。おかげで、周辺にはあの独特の臭いが漂っていたのである。

最後に高雄駅近くにある「六合夜市」。何十年も前に訪れたことがあるが、ほとんど記憶に残っていない。

観光夜市と銘打たれていて、店のほとんどは食料品の屋台だった。
ただ、アルコールが飲める店が限られているようである。よくもまあみんなビールも飲まずにつまみっぽいものを食べられるものだと感心した。
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