« 2024年2月 | トップページ | 2024年5月 »

2024年4月の3件の記事

2024-04-30

尖塔そびえる静かな田舎町ソレート

ガッリーポリからレッチェへの帰りに立ち寄ったのは、知る人ぞ知る、知らない人はまったく知らないソレートの町。
目的は、プーリアゴシック様式というライモンデッロの尖塔とサント・ステファノ教会に描かれたビザンチン風のフレスコ画である。

ソレート駅

スドゥエスト鉄道のソレート駅は、レッチェとガッリーポリを結ぶ路線にある。

ソレート駅

ひなびた無人駅だが、一応立派な屋根がついている。
ここで降りたのはわれわれだけだった。

サン・ヴィート門

ソレートはごくごく典型的な南部の田舎町である。ガッリーポリとは打って変わって観光客の姿が見えない。
駅から5分ほど歩くと、ソレートの旧市街入口であるサン・ヴィート門があった。

ライモンデッロの尖塔

低層の家が並ぶ町で、ここだけが異世界のライモンデッロの尖塔。マリア・サンティッシマ・アッスンタ教会に付属した塔の形をとっているが、この周辺を治めていたソレート伯オルシーニ家のライモンデッロの野心が表現されているのだという。

ライモンデッロの尖塔

ごてごての装飾とマジョルカ焼きの屋根が見もの。残念ながら登ることはできないが、さぞかし見晴らしがいいことだろう。

マリア・サンティッシマ・アッスンタ教会

マリア・サンティッシマ・アッスンタ教会を裏側から見たところ。あとからごてごてと増築したらしき跡がうかがえる。

近所の親父たち

4時ごろになって近所の親父たちが集まってくる。
店はどこもかしこも閉まっていたが、4時をまわってようやく広場に面したバール兼ピッツェリアか開いて、水分を補給することができた。

サント・ステファノ教会

裏通りに面して見逃しそうなサント・ステファノ教会。
この小さな教会の内側に、貴重なフレスコ画があるのだが、なんと日曜だけでなく土曜日も休館とは不覚だった。再訪はあるのだろうか。

旧市街

教会のまわりを除くと、旧市街はうらぶれた南部の町そのもので、とくに見るべきものはない……と思いつつ目をこらすと何か向こうのほうに見えてきた。

フィアット500

裏通りのできすぎた構図……いや芸術的な構図でフィアット500(チンクエチェント)が駐車していたのである。

フィアット500

せっかくなのでアップも1枚。

2024-04-29

陽光ふりそそぐガッリーポリ

レッチェ滞在の2日目はガッリーポリへ。前も訪れたことがあるのだが、妻にとっては未訪の町であるし、私にとっては前回は撮った写真がイマイチだったのでリベンジも兼ねての訪問である。

ガッリーポリ駅

レッチェを10時ごろに出発。私鉄スドゥエスト鉄道(南東鉄道)で1時間半ほどでガッリーポリ着。エアコンのない旧型車は見るのはいいけど、乗るものじゃないと再認識。帰りは新型車でほっとした。

ガッリーポリ駅

ガッリーポリ駅構内。駅舎にあるホームには新型車が停車していた。車両は新しくなったが線路の状態が悪いようで、途中からは時速40kmほどのノロノロ運転が続くのは困ったものである。

ガッリーポリ旧市街

駅のある新市街から歩いて10分ほど。橋を渡った先に旧市街がある。つまり、旧市街は島になっているのだが、とくに島の名前は付いていないようだ。なんとなく、シチリアのシラクーサを思わせるのは、駅が新市街にあって、旧市街が島(シチリアではオルティージャ島)、シラクーサ駅

ガッリーポリの砂浜

旧市街北側にあるスピアッジャ・プリタというビーチ。きれいな砂浜、清涼な砂浜といった意味で、9月半ばになっていたが、週末ということもあってか海水浴客で賑わっていた。

ガッリーポリのドゥオーモ

ガッリーポリのドゥオーモ。前回見損なってた内部を見たかったのだが、なんと昼休みで閉まっていた。

ランチタイムを迎えて、旧市街のレストランは万全の観光客受け入れ態勢へ。

旧市街は500m四方くらいと小さいので、少し歩くとすぐに海が見えてくる。

砂浜と反対側の南側の海岸には、数多くのボートが停泊していた。奥に見える町並みは、橋の東側にある新市街。

海の幸の前菜

海の見えるレストランはちょっと高そうだけど、せっかくなのでおいしそうな店で軽くランチ。まず海の幸の前菜からスタートした。もちろん地元の白ワインで。

このランチに舌鼓を打って時間をとりすぎた。この日はもう1つの町に行きたかったので、日が傾かないうちにガッリーポリをあとにすることになり、またもや中途半端な滞在になってしまった。

 

2024-04-26

南のバロック都市 レッチェ旧市街

イタリア東海岸を南下してやってきたのが、かかとにあたるサレント半島の中心都市レッチェ。
1980年代に初めて訪れたときは、「こんな辺鄙な土地にこんな壮麗な町があるとは!?」と驚いた。
それもそのはずで、当時先端だったバロック様式で町づくりが行われたところだ。旧市街は1km四方ほどあり、壮麗な建築物が立ち並ぶ。

旧市街の中心にあるドゥオーモ(大聖堂)広場。
不思議なことに、この広場への入口は1カ所しかない。つまり、袋小路になっているという珍しい広場である。

ドゥオーモ広場

 ここは、朝、昼、晩、いつ見ても美しい。大聖堂は、正面(ファサード)が2つある(?)不思議な教会だ。
レッチェを訪れたのは3度目だが、ようやく修復の終わった姿を見ることができた。
もっとも、今回も塔の先端だけは修復中だった。

ドゥオーモ広場

塔の上にはエレベーターで登ることができる。意外に空いていたのでスムーズにたどりつくことができた。

ドゥオーモ広場

高所恐怖症の人はかなり恐いのではと思う。

サンタクローチェ教会

 これは、レッチェバロック建築の粋といってよいサンタクローチェ教会。正面にはごてごてした装飾が、これでもかと施されている。

サンタクローチェ教会

夜のサンタクローチェ教会界隈。コロナ禍以後は、密を避けてテラス席で食事する習慣がイタリア全土で普及したとのこと。

レッチェ旧市街の夜

 夜の裏通りはレストランのテラス席が並び、観光客で賑わいます

レッチェ旧市街

 観光ルートから外れた裏通りで見かけた素敵な中庭

240426h

サンタ・キアラ教会。正面(ファサード)に多用されている柱は、シチリアと共通する南イタリアのバロック教会の特徴。南イタリアを何度も襲った地震対策として、この柱によって耐震性をもたせているとのことだ。

« 2024年2月 | トップページ | 2024年5月 »

著書

  • 辞書には載っていない⁉ 日本語[ペンネーム](青春出版社)
  • 社会人に絶対必要な語彙力が身につく本[ペンネーム](だいわ文庫)
  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
  • 『日本懐かし駅舎大全』(辰巳出版)
  • 『鉄道黄金時代 1970s──ディスカバージャパン・メモリーズ』(日経BP社)
  • 『国鉄風景の30年―写真で比べる昭和と今』(技報堂出版)
  • 『全国フシギ乗り物ツアー』(山海堂)
無料ブログはココログ

.