尖塔そびえる静かな田舎町ソレート
ガッリーポリからレッチェへの帰りに立ち寄ったのは、知る人ぞ知る、知らない人はまったく知らないソレートの町。
目的は、プーリアゴシック様式というライモンデッロの尖塔とサント・ステファノ教会に描かれたビザンチン風のフレスコ画である。
スドゥエスト鉄道のソレート駅は、レッチェとガッリーポリを結ぶ路線にある。
ひなびた無人駅だが、一応立派な屋根がついている。
ここで降りたのはわれわれだけだった。
ソレートはごくごく典型的な南部の田舎町である。ガッリーポリとは打って変わって観光客の姿が見えない。
駅から5分ほど歩くと、ソレートの旧市街入口であるサン・ヴィート門があった。
低層の家が並ぶ町で、ここだけが異世界のライモンデッロの尖塔。マリア・サンティッシマ・アッスンタ教会に付属した塔の形をとっているが、この周辺を治めていたソレート伯オルシーニ家のライモンデッロの野心が表現されているのだという。
ごてごての装飾とマジョルカ焼きの屋根が見もの。残念ながら登ることはできないが、さぞかし見晴らしがいいことだろう。
マリア・サンティッシマ・アッスンタ教会を裏側から見たところ。あとからごてごてと増築したらしき跡がうかがえる。
4時ごろになって近所の親父たちが集まってくる。
店はどこもかしこも閉まっていたが、4時をまわってようやく広場に面したバール兼ピッツェリアか開いて、水分を補給することができた。
裏通りに面して見逃しそうなサント・ステファノ教会。
この小さな教会の内側に、貴重なフレスコ画があるのだが、なんと日曜だけでなく土曜日も休館とは不覚だった。再訪はあるのだろうか。
教会のまわりを除くと、旧市街はうらぶれた南部の町そのもので、とくに見るべきものはない……と思いつつ目をこらすと何か向こうのほうに見えてきた。
裏通りのできすぎた構図……いや芸術的な構図でフィアット500(チンクエチェント)が駐車していたのである。
せっかくなのでアップも1枚。
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