ワイン街道のカルダーロで地ビールを飲む
ケーブルカーの往復を楽しんだのちは、ぶどう畑を眺めながら緩やかな坂道をカルダーロの中心部に向かって下っていった。
ぶどう畑のなかには、そこで栽培しているぶどうの品種を解説しているところもあって興味深い。
初めて聞いたぶどうの品種も数多くあって勉強になる。もっとも、今となってはほとんど覚えていないが。
カルダーロの旧市街はこぢんまりしていて、30分もしないで隅から隅まで歩ける。やはり、ここも建物や教会はオーストリア・南ドイツ風である。
中心部にはワイン博物館もあった。昔の醸造所で使われた桶や器具が保存してあって、日本酒博物館と似ている。違っているのは、各種のぶどうの味見ができることだ。
博物館に入るときに、「最後に自由に食べられるから」と耳にしたのだが、なんのことだかわからなかった。
だが、建物から出たところに小さなぶどう畑があって、さまざまなぶどうが植えられている。そこで、先客がぶどうの身を食べているのを見て、ようやく理解できた。
全部で30品種もあっただろうか。根っからの貧乏性なので、一つ残らず口にしてみた。その結果、ワインがおいしいからといって、必ずしも原料のぶどうがうまいとは限らないことも理解できた。
町を一周したあとは、中心部のプリンチパーレ広場でひと休み。のどが乾いていたので、注文したのはこの地ビールである。ワインの町でビールを飲むのは背徳感を覚えるが、そこがまた楽しい。ラベル(エチケット)にはさっき乗ったケーブルカーが描かれていた。
以前も書いたが、イタリアの地ビールはおいしい。ベルギーの醸造技術を導入した醸造所が多く、2010年ころから急速に発達した。ワイン醸造所の跡継ぎが、親に反抗してビール造りを恥じたというケースも多いらしい。
あとは、いい気分になってさらに町をぶらぶら。
高みを見つめるネコちゃん。飛び上がろうとしているのか。
このあたりは冬はかなり寒くなるので、野良猫ではなくて飼い猫だろう。
「ちょっと高くて登れニャい」という表情か。カメラに向けてボーズをとってくれた。
狭い町だけど、うろうろしているうちに日が傾いてきた。
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