馬路村のトロッコとインクライン
かつて馬路村に走っていた森林鉄道は、魚梁瀬(やなせ)地区から馬路村中心部を経由して奈半利(なはり)川と安田川沿いに海岸まで木材を運んでいた。
現在、魚梁瀬地区では当時の車両を復元して走らせているが、残念ながら今回は時間がなくていけなかった。
路線バスは安芸~馬路が4往復あるが、魚梁瀬まで行くのはそのうちの2本。公共交通機関を利用するとなると、現地で宿泊しないとならない。
その代わりといってはなんだが、馬路地区にも森林鉄道の雰囲気を再現して観光客を乗せている。
機関車からしていかにも遊戯鉄道で、1周500mくらいの短い路線だが、そこそこ周囲はいい雰囲気である。
途中、こんな鉱山のバッテリートロッコのような機関車が保存(?)されていた。
本当は土曜休日しか運行しないらしくてがっかりしていたが、さすがに大型連休は谷間の平日も運転していた。
われわれはいい大人だけど貸切で乗車。そのあとにやってきた子ども連れを乗せた列車を、沿線から撮影した。
もう一つ、ここには興味深い乗り物がある。「インクライン」だ。ケーブルカーというよりも、斜行エレベーターに近い。ダムなんかでは工事用につくられているけれど、実際に客が乗れるのは数少ない。関東地方では宮ヶ瀬ダムのインクラインに乗ったことがある。
ケーブルカーだと2つの車両を釣瓶のようにして上下させるが、エレベーターだとケーブルの一方に車両(かご)が、もう一方に重りをつないで上下させる。
ここのインクラインは、なんと水を重りの代わりにしているのがユニークだ。頂上まで行くと水をタンクに積み込んで、その重みで下っていく。で、下に着くと水を抜いて軽くするわけだ。電気をほとんど使わずエコな乗り物である。
もちろん、ブレーキをかけながらゆっくり進むので急坂だけど安全。同行の親子連れ4人も歓声をあげていた。
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