はりまや橋と高知県立牧野植物園
高知市中心部の観光名所「播磨屋橋」といえば、昔は「日本三大がっかり名所」という不名誉な枕詞がついていたものだった。
確かに、「えっ! これが有名なはりまや橋?」という粗末……いやごくごく質素なものだった。橋もコンクリートむきだしだったような記憶があるが、よく覚えていない。
それが、来るたびに周辺の整備が少しずつ進んでいるように見える。
以前は、ちょろちょろと水が流れているのか流れていないのかわからない水路の両側に、建物の裏側がぎっしりと並んでいたこの場所も、すっきりとした。
橋の朱塗りも鮮やかである。大通りをはさんだ反対側も整備され、地元の人にまじって観光客が行き来している。
高知市といえばこれ、路面電車である。以前は土佐電鉄の軌道線だったが、今ではとさでん交通として存続している。
後免町から伊野まで、単一路線の路面電車としては日本最長である。そして、東京都電6000形を思い出させるこの電車も健在だった。以前の塗装を復元したこの色はとってもいい感じ。
はりまや橋交差点で信号待ちをしていたら、3車体低床車もやってきた。
賑わっているように見えるが、後免、伊野の末端部では利用者が減っているという話も聞く。末永く活躍してほしいものだ。
さて、伊野からJRの特急を奮発して高知駅に戻ると、さらにタクシーを奮発してやってきたのが高知県立牧野植物園である。
現在放映されているNHKの朝ドラ「らんまん」のモデルになっている牧野富太郎博士ゆかりの植物園だ。ここを訪れた2022年5月には、すでに翌年の放映が決まっていて、あちこちにポスターが貼ってあった。
植物好きの妻のたっての希望でやってきたわけだが、広々としていてなかなか興味深い場所であった。今は観光客でごった返していることだろう。
図鑑好きだった小学生時代の私は、「牧野植物図鑑」を書店でよく目にしたものだった。繊細な図柄は、写真よりも植物のことがよくわかった。疑問だったのが、「牧野」が人の名前なのか、それとも「牧場や野原で見る植物」という意味なのか、それとも「小倉百人一首」のようなブランド名なのかということだった。人名だと知ったのは、20歳を過ぎてからのことである。
植物園は山の上にあるので、歩いて行き来するのは不可能。帰りのバスを待っているときに見かけたのが、この看板だ。
「たっすいがはいかん!」は、キリンビールでも高知だけのキャッチコピーだそうだ。「たっすい」は、弱々しい、あっさりしているという意味の土佐弁だそうで、隣の徳島でも似たような意味で使われているようだ。
人気のキャッチコピーだそうで、どうやら裏の意味としては、アサヒスーパードライのようなあっさりしすぎているビールはダメ! という気持ちが込められているとかいないとか。高知はキリンラガーの売上が日本一だとも聞いた。
そして、高知市の中心部で見かけた懐かしのトヨタ・パブリカ。初日の夕食は、ここの正面にある店でとることにした。
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