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2023年3月の7件の記事

2023-03-30

宗教都市天理をぶらぶら

実はまだ生まれてこのかた、法隆寺も東大寺も訪れたことはない。かろうじて、興福寺や当麻寺は行ったことがあり、今回の旅では飛鳥寺に行くことができた。近鉄奈良駅前に宿をとったので、今回こそ東大寺に行こうと思っていたのだが、初日の知人の車で天理を通過して、がぜん興味がわいてきた。
日本でも類まれなる宗教都市天理は、江戸時代に成立した天理教の教会本部がある町だ。以前から訪ねてみたいと思ったので、翌日さっそく出直したわけである。

近鉄天理駅

前夜、奈良市内の居酒屋のマスターから、天理教についての予備知識を仕入れることができたのは幸いであった。
「天理教信者はみんないい人だよ。相応のお布施は求められるようだけれど、無理な勧誘はしないね。去年までアルバイトをしていた子も家族ぐるみで天理教信者だったよ」とのことで少し安心した。

近鉄天理駅構内は日中約20分おきの運転のわりには、だだっ広い。毎月26日の月次祭や大祭には臨時列車が運転されて、さくさんの人が訪れるという。

天理本通商店街

だだっ広い駅構内から出て、ただっ広い駅前広場を横切り、天理本通の商店街を探検。この商店街を突っ切ると天理教の総本部に出る。

商店街の酒屋

駅に近いあたりは何の変哲もない店が続くが、よく見るとこの酒屋の看板にも「天理教御神酒」とあって、興味はいやましになる。

天理教信者の宿泊施設

天理教関係の新しい建築はこれが標準のようで、愛知県庁舎や東京の九段会館に見られる和洋折衷の帝冠様式に通じるところがある。市内のあちこちで見ることができた。これは信者が宿泊する建物。

商店街の衣装店

教会本部が近づくにつれて、徐々に衣装店が目につくようになってきた。もちろん、天理教の行事で着たり使ったりするものがほとんどだ。どれも質素なのが特徴。

商店街の衣装店

福助のマークが懐かしい。半世紀前の日本がこの商店街で冷凍保存されている印象である。
(つづく)

2023-03-29

大宇陀の古い家並みを味わう

奈良2日目は宇陀市の大宇陀(おおうだ)へ。ここは薬草と発酵で古くから知られた地域で、日本書紀にも記されているとのこと。
ロート製薬、津村順天堂、藤沢薬品、笹岡薬品の創業者がみな宇陀市出身ということを初めて知った。

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大宇陀の町を南北に貫く伊勢街道に面して、延々と昔ながらの美しい商家の町並みが残っている。
1992年に訪れたことがあるが、それ以来の再訪である。上の写真は、吉野葛を製造販売する黒川商店。

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そして道の端を流れる水路。
沿道には江戸時代につくられた森野旧薬園(薬草園)があり、丘の上にさまざまな薬草が植えられているのを見ることができた。

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この宇陀松山地区は、2006年に重要伝統的建造物群保存地区に選定されており、昔ながらのたたずまいを残している。

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これは、久保本家酒造。
この近くに道の駅がある。今回は知人の車に乗せてもらってきたが、前回は近鉄榛原駅からの路線バスでやってきた。もちろん、路線バスはいまも健在だ。

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この写真は、江戸時代から続く味噌、麹、奈良漬の「いせ弥」
軒先に掲げられた看板代わりの木樽が目を引く。

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奈良漬の「いせ弥」の正面。ここで味噌を買って帰りました。

2023-03-26

桜井駅周辺のレトロな町並みをぶらぶら

2022年11月の奈良の旅のつづき。
桜井駅前の旧家を改装した宿に泊まり、翌朝は食後の散歩で桜井駅周辺をぶらぶらした。
桜井は古代ヤマト王権の中心地だったために縦横に街道が走っているが、今回の時間の都合で伊勢街道のほんの少しだけ。

力寿司

駅前通りから入ってまもなくのところにあった店舗。
「力寿司」の看板が掲げられているが、廃業してからかなりの年月が経つのだろうか。
建物の向かって右側には人が住んでいる様子である。

中央通商店街

アーケードのかかった中央通商店街に残るレトロな看板の数々。
シャッターが閉まったままの店も多いようだ。

山本五平薬局

緑青が吹いた銅製の雨樋が立派な「山本五平薬局」。うだつもあがっている。

金澤喜市郎商店

旧家の軒先に、「国産 日本石油揮発油販売所特約店 金澤喜市郎商店」と記された看板がかかっていた。
「日本石油揮発油販売所」ともあり、一番上にはコウモリをかたどった日本石油の昔のマークが描かれている。

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伊勢街道から分岐して談山神社に向かう多武峰街道に入ったとたんにある旧魚市場跡。
かつては商店街として賑わっていたとのことで、このアーケードも商店街の名残なのだろうか。

2023-03-16

明日香村の家並みと棚田

2022年11月の関西の旅の続きである。神戸に立ち寄って大阪に宿泊したが、今回のメインは奈良県である。
奈良初日と翌日は、奈良在住の知人の車に乗せてもらい、食って飲んで歩いての旅。まずは明日香村を漫遊した。

明日香村風景

せっかくなので、まだ行ったことのなかった明日香の里へ。
大和は国のまほろば、そして古墳だらけという印象。
飛鳥寺では、かの有名な釈迦如来像(飛鳥大仏)を間近にみることができた。
後年に補修した部分が多いために国宝でないらしく、写真撮影もできる。

明日香村の家並み

飛鳥寺のそばにある明日香村の家並みもゆかしい。

明日香村の家並み

そして、そんな明日香の狭い通りを大型バスが通るのも興味深い。

明日香村の棚田

明日香村は棚田も有名らしい。なんとか日没直前に稲渕棚田にたどりつくことができた。
晩秋だったので、もう刈り入れは終わっている。

明日香村の御池あたり

そして、夕暮れの明日香村御池あたり。
霧は立ちのぼらないけれど秋の夕暮。

2023-03-09

有馬温泉の町並み

ガイドブックやネットの情報も見ないでぶらぶら歩きをするのは久しぶりだ。
神戸電鉄の有馬温泉駅を出て、まずは温泉街に向かっていった。
最初のうちは車道沿いにある古い建物を見て感心していたのだが、案内の看板を見ていると、どうやら湯本坂と呼ばれる有馬本街道が町歩きの中心のようである。素直に看板の矢印に従って進んでいった。

有馬温泉

道を湯本坂に折れて、まず目に入ったのがこの「佃煮の大黒屋」である。
「松茸昆布」がいかにもご飯に合いそうだ。

有馬温泉

さらに進むと、この「炭酸煎餅本家 三津森本舗」があった。ここに来るまでも炭酸煎餅の店を何軒も見かけたのだが、ここが歴史ある店らしい。そういえば昔、祖父母の家に行くと、誰かの手土産の炭酸煎餅がよく置かれていたものだった。子どもだから、何枚でも食べられてしまう。そこをぐっと我慢して数枚でとどめには、かなりの自制心が必要だった。

有馬温泉

今になって思うに、炭酸煎餅を持ってきたのは叔父の奥さんだったに違いない。兵庫県尼崎出身なので、実家に帰るたびに買ってきたのではないかと想像する。今だったら誰に気兼ねすることなく炭酸煎餅が食べられるので、一袋買って帰った。
そして上の写真は「松茸昆布 川上商店」。狭い道にこうした店が軒を連ねていて、なかなか楽しめた。

有馬温泉

中心街から外れた温泉寺にお参りをして、門前の階段を降りたところにあったのがこの建物。
「ホテル花小宿」と書かれていたが、旧家を改装したホテルなのだろうと勝手に想像する。看板が横文字で書かれていたので、いわゆるインバウンドを意識しているのだろう。日本の旧家は私にとっても寸法が小さいので、頭をぶつけることがよくある。外国人は大丈夫なのかと余計な心配をしてしまった。

2023-03-05

神戸電鉄に乗って湊川から有馬温泉へ

元町からさあどこに行こうかというとこで、いくつか候補にあげたのが、まだ行ったことがなくて味わいのある町並みが残っている町。
残り時間も考えて、有馬温泉に向かうことにした。

湊川駅の3000形

そういえば、神戸電鉄にはほとんど乗ったことがなかったよなと思い、せっかくなので湊川まで歩いてそこから乗ることにした。新開地~湊川は乗ったことがあったと記憶している。
下りの電車待ちの間に、先にやってきた新開地行きの3000系を撮影。

有馬口の1000形

湊川から三田行きに乗車。本当は粟生線にも乗りたいのだが、じっくり乗り降りするには時間がかかりそうなので、また次の機会に。でも、鈴蘭台で分岐する粟生線の勾配には驚いた。

有馬口から有馬温泉までは1駅。構内踏切て移動するついでに、乗ってきた1000系電車を撮影。おとなしくて好感の持てる正面デザインである。

有馬温泉の5000形

あっという間に有馬温泉駅終点。ここで5000系を撮影して、神戸電鉄の主力4形式のうちの3形式を撮ったことになる。
ここからは、無計画の有馬ぶらぶら散歩である。

2023-03-04

神戸 三宮~元町高架下

ガード下の商店街から外に出て元町方面に歩いていくと、見事に店が並んでいるのがわかる。

三宮~元町高架下

大都市ではよく見られた風景ではあったけれど、ここは距離が長いうえに建物が揃っていてなかなか美しい。

三宮~元町高架下

この先、元町方面(左側)では再開発のためにガード下商店街が閉鎖されてしまった。
はたして、どのような形で再び姿を現すのだろうか。

三宮~元町高架下

とかなんとか思いながら元町までやってきた。
その日は大阪に宿泊なので、それまでどこに行こうかと思案。
三宮で時間をかけてランチを食べたので、中途半端な時間になってしまった。

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著書

  • 辞書には載っていない⁉ 日本語[ペンネーム](青春出版社)
  • 社会人に絶対必要な語彙力が身につく本[ペンネーム](だいわ文庫)
  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
  • 『日本懐かし駅舎大全』(辰巳出版)
  • 『鉄道黄金時代 1970s──ディスカバージャパン・メモリーズ』(日経BP社)
  • 『国鉄風景の30年―写真で比べる昭和と今』(技報堂出版)
  • 『全国フシギ乗り物ツアー』(山海堂)
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