« 2023年1月 | トップページ | 2023年3月 »

2023年2月の7件の記事

2023-02-26

神戸 三宮高架商店街「ピアザkobe」とイタリア語の話

三宮高架下2階のディープな店々を眺め、イタリアンで腹ごしらえをして階段を降りた。
「さんらく」の雰囲気との落差に、「下界におりてきた」という印象を受ける。

三宮高架商店街

今度は、元町方面に続くガード下の商店街を歩いていくことにした。
こちらも、かなり狭い通路の両側に店が並んでいる。
こちらもなかなかディープな雰囲気だが、「ピアザkobe」というおしゃれな名前が付いていた。

三宮高架商店街

商店街のサイトを見ると、「“ピアザ”はイタリア語で“屋根のある回廊”」と記されていた。
うーん……。別の場所にはPiazzaと原語で書かれていたので、これはやっぱりピアッツァと読んでほしいなあ。

まあ、どうしても「ピアザ」と読ませたいならしかたがない。
でも、Piazzaの意味は「広場」だよね。「屋根のある回廊」とは聞いたことがないが、特殊な用例なのだろうか。

三宮高架商店街

あんまり文句ばかりつけても建設的じゃないので、おまけの話。

大リーグ・ドジャースで野茂の球を受けた捕手はマイク・ピアザという名前だったが、ユニフォームにはPIAZZAと書かれていた。
イタリア系のピアッツァさんなんだけど、英語では同じ綴りでピアザと読ませるわけだ。
実は、あのときのドジャースはトーレ監督だったが、ユニフォームの綴りを見るとTORREだった。
彼もイタリア系のトッレさんだったのだ。
日本風にいえば、塔さんが監督で、広場さんが捕手だったわけだ。

ついでにいうと、往年の大選手ディマジオのユニフォームの写真を見たら、DI MAGGIOと書かれていた。
「ああ、ディ・マッジョか!」
やはりイタリア系の五月さんだったのだ。

2023-02-23

神戸 三宮駅高架下「さんらく」のイル カピターノ ニシオカ

前回紹介した三宮駅高架下2階「さんらく」の片隅に、その店はある。

カピターノニシオカ

碁会所の真向かいにあるこの扉。店名は書いてあるが、いかにも入りにくい。
イタリアレストランの「イル カピターノ ニシオカ」だ。英語にすれば「キャプテン・ニシオカ」
最後に訪れたのは6、7年前だろうか。ドアが閉まっているように見えたが、ランチ時間のはずでる。

カピターノニシオカ

ドアがわずかに開いているので、思い切って開けて入ってみると営業中だった。
最初に訪れたのは20年以上前だったろうか。パソコン通信(!)のオフ会(!)である。
それ以後、神戸に来るたびに何度か訪れたが、ランチは初訪問である。
それにしても、ドアの外と内の落差にいつもながら感動する。

カピターノニシオカ

昼なので西岡シェフは不在だったが、おいしい料理と店の人との会話で楽しいひとときを過ごすことができた。
軽いランチで済ますつもりが、つい肉までのコースを注文し、グラスの赤ワインを2杯。

カピターノニシオカ

元町のガード下が再開発と聞いて、奈良の旅のついで(笑)にやってきたが、こちらはそうした計画はないとのこと。
安心して、デザートまでゆったりとした気分で味わうことができた。

2023-02-22

神戸 三宮駅高架下「さんらく」

神戸の三宮高架下というと、歩道に沿ってずっど元町方面に連なる店舗を思い浮かべる人が多いようだ。
地元に住んでいても、意外と2階の存在を知らない人がいるとのこと。
階段を上がったところにあるのが、三宮阪急楽天地、略して「さんらく」である。

さんらく入口

階段下に貼られている案内が泣かせる。
今から四半世紀前に、神戸に住む知人に連れてこられたときに目を見張った。

碁会所

三宮駅に近い階段を上がると、いきなり目に入ってくるのがこれ。碁会所である。
知人に連れられてどこに行ったかは、また次回紹介するとして、碁会所が健在だったのは喜ばしい。

さんらくの通路

狭い通路を元町方面に移動すると、すでに空き店舗となったところもあるが、半分近くは営業中。大半は飲食店である。

さんらくの通路

昔訪れたときは、もっとディープな雰囲気だったように記憶しているが、時代の流れなのか、それとも単に照明が明るくなったためか、ずいぶん隅々まで清潔になった印象だ。
それでも、「神戸はおしゃれな町」と誤解している人には、ぜひこの雰囲気を味わってほしい。

2023-02-14

神戸 三宮駅高架下へ

2022年11月下旬に向かったのは関西。奈良在住の友人と妻とともに、遊んで飲んで食っての旅だったが、その前に一人先乗りして未踏の神戸をぶらぶらすることにした。
最初の目的地は三宮~元町のガード下。ここは歩いたことはあったが、まともに写真を撮ったことがなかった。

JR三ノ宮駅中央口

まずは、JR三ノ宮駅の中央口。地名は一般に三宮だが、JRの駅名は三ノ宮である。
岩手県の一関と一ノ関の関係と同じだ。

JR三ノ宮駅中央口

実は、梅田から三宮までは阪急電車を使ったのだが、このJR三ノ宮駅の中央口は捨てがたい。
優雅さを残したままきれいに改装されて、なかなかフォトジェニックで気に入っているのである。

JR三ノ宮駅中央口付近

外に出て、いよいよガード下ぶらぶら歩きの開始である。

2023-02-10

西表島 路線バスで村めぐり(13・終)祖納(その2)

祖納の坂道を海岸に向かって下っていくと、石垣に囲まれた沖縄風の茅葺屋根の家が!
本島の安波(あは)や与那国島で見たことはあったが、こんな大きな家は初めて!

新盛家住宅

この日の夜、宿泊地の白浜の食堂で聞いたところ、「ああ、新盛(しんもり)さんのお宅だね」と教えてくれた。
保存家屋になっており、今でも定期的に屋根を葺きかえているそうだ。

新盛家住宅

現在は誰も住んでいないようだが、掃除道具は備えられており、床もきれいに磨かれている。
それにしても、台風の猛烈な風が吹く沖縄で、茅葺き屋根の家は飛ばされなかったのだろうか。
以前、本島で年配のタクシーの運転手に聞いた話では、「大昔は台風が通りすぎると、屋根が吹き飛ばされた家がずいぶんあったよ」とのことだった。
この家は周囲にめぐらした木が防風林の役割をしてくれるのだろう。

スーパー星砂

県道(周遊道路)に出て最終バスを待つ。白浜までは歩けないこともないが、2日連続で歩き回ったのでさすがに疲れたのでバスを待つ。
バス停前には、西表島でも数少ないスーパーが建っていた。

祖納バス停

午後5時ちょっと前、1日4往復の西表交通の最終バスがやってきた。このバスの色は遠くからでも目立つからいい。

というわけで、13回にわたった「西表島 路線バスで村めぐり」はおしまい。2021年11月の記録でした。
山ほど撮った写真は、またどこかで公開したい。

2023-02-08

西表島 路線バスで村めぐり(12)祖納(その1)

干立から10分ほど歩いて、島でもっとも古いという祖納(そない)集落に到着。集落内に起伏があるのは、ほかの集落にない特徴だ。
そして、見るからに年季が入った家屋が多く、いかにも歴史を感じさせるたたずまいであった。
祖納という地名は、与那国島にもあった。語源は不詳のようだが、高台のある土地を指すという説もあるようだ。

祖納の赤瓦の家

上の写真は、昔ながらの赤瓦の家だが、白壁に赤瓦か陶器の破片らしきものを散りばめているのがおしゃれ。
外壁を塗り直すときにそのようにしたのだろうか。

坂の上の民家

長寿坂という名の坂上にある由緒ありそうなお宅。ヒンプン(家の入口の目隠し)がブロック塀なのは今どきだが、ちょっとしゃれている。
BSアンテナも設置して、過去と現在がうまく調和した民家である。

祖納の坂上から

坂道の上の四つ角で、赤子をおぶった30代くらいの西洋人男性とすれ違った。
彼は流暢に「こんにちは」というので、ここに住んでいる人なのだろう。

茅葺きの民家

坂道を下ると海が見えてきた。伝統的な石垣に囲まれているのは、なんと茅葺きの家である!

2023-02-01

西表島 路線バスで村めぐり(11)干立

西表島の海岸沿いには戦前からいくつかの集落があったが、マラリアや戦争で廃村を余儀なくされたところも多い。そんななかで、西側の干立(ほしだて)、祖納(そない)は古くから残る集落なのだそうだ。

干立バス停

干立は、島を周遊する県道を走るだけでは、フクギ(福木)の林に視線を遮られて集落の様子がうかがいしれない。
バス停の周囲には心細くなるほど何もなく、集落へは細い道を入っていく。

赤瓦の家

こんもりと繁ったフクギが南国の強い日射しをさえぎるので、ぶらぶら歩きをするにも涼やかで気持ちがいい。
ぽつりぽつりと家屋があるのだが、これは県道に近いところにあった赤瓦のお宅。

干立の海岸

こぢんまりとしたホテルやダイバー向けの宿が点在する集落をつっきると、美しい星立海岸に出た。
朝、この海岸を散歩すると、イリオモテヤマネコの足跡が見られるとか。

干立の御嶽

海に向かって建つ小さな干立御嶽。こうした聖域(御嶽)を沖縄本島の言葉ではウタキというが、八重山方言ではオンと呼ばれている。
海に面しているのは、海の彼方から神様がやってくるという意識なのだろうか。
この干立御嶽は、国指定重要無形民俗文化財「西表島の節祭」の中心となっている。

村外れにいた馬

村はずれには別の聖域があり、その登り口に馬がいた。
Googleマップによれば、「うぃぬうがん」というのだそうだ。これは沖縄本島の言葉の知識でいうと、「上の拝み(礼拝所)」ということかなと想像する。
馬はというと、私にちらりと視線を投げてよこしたものの、たいして意も介さず、黙々と草をはんでいた。

« 2023年1月 | トップページ | 2023年3月 »

著書

  • 社会人に絶対必要な語彙力が身につく本[ペンネーム](だいわ文庫)
  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
  • 『日本懐かし駅舎大全』(辰巳出版)
  • 『鉄道黄金時代 1970s──ディスカバージャパン・メモリーズ』(日経BP社)
  • 『国鉄風景の30年―写真で比べる昭和と今』(技報堂出版)
  • 『全国フシギ乗り物ツアー』(山海堂)
無料ブログはココログ

.