西表島 路線バスで村めぐり(8)ウタラ炭坑跡
路線バスで西表島の村めぐりの2日目。まず向かったのは宿泊地の白浜から8kmほど北東にある浦内川だ。まともな観光客ならば、ここでジャングルクルーズの遊覧船に乗るかカヌー遊びをするところだが、そうじゃないのでウタラ炭坑跡の探索をすることにした。
浦内川バス停で下車。一人ぽつんと取り残される。この日は朝から雨模様だった。
雨でぬかるんだ道を、傘をさしながら単独行の約20分。シダが密生するくさむらの向こうに、浦内川観光船が川を遡っていくのが見えた。
実は、浦内川の観光船にはすでに30年前に乗ったのだ。そのときは宿泊地の石垣島から船でやってきて、マリュウドの滝やカンピレーの滝も見たっけ。夏の観光シーズンだったので、同行の観光客も多かった。
炭鉱跡まではこんな道を約1km。よりによって、この間だけ雨が激しくなってきた。
そういえば、30年前の浦内川観光のときも雨。カンピレーの滝のそばでは、足をすべらせて約2m下の河原の石畳に背中から落ちてしまった。頭から血を流して同行者たちにひどく心配されたが、頭を打ったわけではなくバッグの金具が額の上をこすって傷ついたのであった。
たどりついた炭坑跡は、ほぼ自然に返っていた。目が慣れると、トロッコ軌道の橋脚が見えてきた。上の写真である。橋脚にからみついている木が年月を語っている。
これは炭坑で使用した機械のようである。それにしても、よくこんなところに人が住んでいたと思う。まさかこんなひどいところとは思わず、金を稼ぐために各地から人がやってきたのだという。タコ部屋のようなところに住まわされ、脱走して逃げきれずに捕まったりマラリアで死んだ人も数多かったとか。当時日本領だった台湾から来た人もいたという。
一時は待遇改善が進んで夫婦者も住むようになり、ちょっとした町ができていたというが、戦時色が濃くなると石炭増産のためにまたぞろ待遇が悪くなっていったそうだ。
地面は雨でどろどろにぬかるんでいるが、この一帯だけは手すり付きの木道が整備されていて、ところどころにこんな説明板が設けられていた。
さきほどからの偉そうな説明も、これで仕入れたにわか知識である。
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