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2022-12-20

「半急行」に乗って佐世保駅前から平戸港へ

西九州新幹線開通の前夜、長崎市内だけでなく諫早も含めて県南地区のホテルはほぼ満室。1週間前の時点で残っているのは、とんでもなく高い部屋くらいだった。そんな経緯で佐世保で2泊したのだが、実は私にとっては初めての土地である。
何十年も前に乗り換えをしたことはあったが、駅から出たことはなかった。

佐世保駅前

経緯はどうあれ、はじめての土地に降り立つのは楽しいものである。それがある程度の規模の町ならばなおさらだ。どんなものがあるのか、わくわくした気分で駅を出たのはもう暗くなってからのことである。
市内ぶらぶら散歩は最終日にとっておいて、翌日に向かったのは、こんなときでもないと行けない北部の離島である。

佐世保バスセンター

その島へは、まずは県北の平戸港へ行き、そこから船に乗る。
平戸港に行くにはどういうルートがよいのか悩んだのだが、なんのことはない、佐世保から直通バスがあった。
しかも、西肥バスの佐世保バスターミナルは、なんと泊まっているホテルの1階! これなら朝に弱い私でもラクちんである。

江迎町

佐世保バスターミナル8時14分発の平戸桟橋行きバスは、「半急行」という不思議な種別だった。文字通り、半分急行なのだが、「準急」や「区間急行」にしないところが味わい深い。
私はバスの最前席に陣取って、始発から終点まで1時間半、食い入るように周囲の景色を眺めていた。上の写真は江迎町を通過中。松浦鉄道の高岩駅付近である。

平戸桟橋終点

こうして1時間半かけて平戸桟橋終点に到着した。まずは、船の乗車券窓口で「大島1枚!」と元気よく船の切符を購入。しかし、切符を手にしたのはいいが、ここで窓口横にある張り紙が目に入った。そこにはこう書いてあった。
「新型コロナ対策のため、県外の方の釣りやキャンプでの来島はご遠慮ください」
これを見て少々あせった。
「うーん、乗船のときに身分証明書を見せろといわれたらどうしよう。何日も前から県内にいるんですといって言い訳するか。いや、切符を売ってくれたんだから、問題ないのでは……。そもそも、釣りやキャンプではないし……」

フェリー大島の入港

あれこれと考えているうちに、「フェリー大島」が入港してきた。平戸港と的山大島を往復する船である。
10時を過ぎて、ちょっとドキドキしながら「おはようございます」と平静を装って切符を見せて乗船したが、なにも言われなかった。やや拍子抜けである。
乗客定員は150人だそうだが、全部で20人も乗っていたかどうか。小雨がぱらつくなか、甲板に出て「ふー」と一息ついた私であった。

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著書

  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
  • 『日本懐かし駅舎大全』(辰巳出版)
  • 『鉄道黄金時代 1970s──ディスカバージャパン・メモリーズ』(日経BP社)
  • 『国鉄風景の30年―写真で比べる昭和と今』(技報堂出版)
  • 『全国フシギ乗り物ツアー』(山海堂)
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