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2022-09-05

サルデーニャ鉄道に乗ってヌーオロへ

カリアリに3泊したあとは、サルデーニャ島の古い文化が残る中央部のヌーオロ(Nuoro)へ。
直通の高速バスではなく、あえてイタリア鉄道と私鉄のサルデーニャ鉄道の乗り継ぎを選択した。

カリアリから乗り換え駅のマコメールまでは、イタリア鉄道の軽快なディーゼルカー「ミヌエット」が島のメイン街道を2時間で走破。
カリアリ出発直後はほぼ満員だったものの、なんとか座席にありつけた。

イタリア鉄道マコメール駅

上の写真はイタリア鉄道のマコメール駅。広場をはさんで、サルデーニャ鉄道の駅が相対している。
1990年に来たときは、イタリア鉄道が当たり前のように30分以上も遅れたけれど、今回はほぼ定刻に到着した。
15分ほどしかない乗り換え時間が心配だったけれども、杞憂に終わった。

サルデーニャ鉄道マコメール駅

サルデーニャ鉄道の駅で待っていたのは、先日カリアリ-イージリ線で乗ったのと同じ旧型ディーゼルカーだ。
上の写真では、左の柱の陰に隠れてしまった。
構内には、客車や貨車が留置されているが、グラフィティという名の落書きだらけなのが残念。

サルデーニャ鉄道マコメール駅

駅の背後には車庫があって、ここにもディーゼルカーと貨車が置かれていた。
最近になって導入されたという新型車は見えなかったが、あとになって営業運転中だと知った。

サルデーニャ鉄道マコメール駅

駅のホームには、こんな年代物の転轍機が。
これが信号と連動してポイント(分岐器)を操作するわけだ。

サルデーニャ鉄道マコメール駅

結局、乗客は私たちを除いて5人ほど。29年前はほぼ満席で出発したのに……。
ホームには駅員や乗務員が、これまた5人ほど、発車に向けてあちこち動き回っていた。

サルデーニャ鉄道マコメール駅

側面のサボ(行き先表示板)には、行き先の「Nuoro」の上に、サルデーニャ鉄道の略称である「FdS」が記されている。
一方、ドアの左側には、現在の運行主体である公共企業体「arst」のロゴが書かれている。

こうして隅から隅まで写真を撮っているうちに、発車時刻の14時45分になった。
ここから、ヌーオロまでの約58km、1時間20分の小旅行のはじまりだ。
私たちは運転席かぶりつきの場所に座り、さらに側面の窓を開け放って車窓を楽しむことにした。

サルデーニャ鉄道の車窓

写真でわかるように、線路はきっちりと整備されている様子。
公営のarst社に移管された2010年に一時営業を停止して、2年かけて曲線改良と線路強化をしたという。

サルデーニャ鉄道の車窓

車窓には、茫漠とした乾いた大地が続き、オリーブ畑があちこちに見られる。
サルデーニャ島独特の石積みの遺跡ヌラーゲも見ることができた。

ステッドラー社製の新型車

途中で対向列車と2回交換したのだが、どちらも新型車両がやってきた。
2016年に営業開始したスイス・ステッドラー社製の電気式ディーゼルカーとのことである。
エアコンもあって乗り心地はよさそうだが、こちらの旧型車は窓が開くのが何よりも素晴らしい。

サルデーニャ鉄道の車窓

サルデーニャ島では、人の数よりも多いといわれる羊。
車窓からも放牧している様子を見ることができた。

ヌーオロの遠景

終点に近づくと、急勾配を登り、山腹のすさまじい崖上を走る。
土砂崩れでもあったら谷底にまっさかさまだ。雨の日には乗りたくないな……なんて思っているうちに、ヌーオロの町が見えてきた。

サルデーニャ鉄道ヌーオロ駅

終点のヌーオロに定刻の16時5分に到着。
到着したホームの横(写真の左側)では、新しいホームが工事中のよう。
日本に帰ってきてネットで調べたら、新しいホームに停まっている車両の写真が掲載されていた。

この日から旅行者用のアパートに3泊する。がらんとしたコンコースを抜けた先で、アパートの管理人がクルマで迎えにきてくれていた。
私たちが写真撮影に時間を食っていたので、本当に乗ってやってきたのか心配になっていたようだった。

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