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2022-04-22

美しき越美北線の車窓

大野市(越前大野)は家並みに加えて店の看板が興味深かった。
前回も書いたように、最近になって新調(復活?)したらしき看板もあれば、何十年も前のままに掲げられた看板もあって興味はつきない。

越前大野駅への道で

上の写真は、町の中心部から越美北線越前大野駅に向かう道沿いにあった看板。
「薬種 天産物問屋 澁谷貞作商店」とある。民間薬、漢方薬の材料の問屋だったのだろうか。
おばさんが植木に水をやっていた。

越前大野駅への道で

不思議な看板。「くろねこ」と書いてあるのは何を意味するのか?
アパートでもなさそうだし、ペット屋でもなさそう。
向こうに見えるのは「やまざき旅館」。駅前旅館というには、300mほど離れているが、昔ながらのたたずまいが趣深い。

越前大野駅

そして、やってきたのが町はずれにあるJR越美北線(愛称:九頭竜湖線)越前大野駅。
この4月からは、えちぜん鉄道勝山駅、越前大野駅と周辺観光地を結ぶミニバス(?)を運行する旨のポスターが駅に貼りだされていた。

越前大野駅

とはいえ、発着する列車がこれだけというのが寂しい。越美北線(愛称:九頭竜線)の時刻表。
福井方面(上り)が7本、九頭竜湖方面(下り)が5本である。しかも、うち1往復は工事のために運休する日があるという。
大野より人口が少ない勝山には、えちぜん鉄道の電車(電化されている)が30分おきに走っていたのに……。
福井駅前までの路線バスは日中も1時間に1本ほどが走っている。

越前大野駅

しばらくすると、JR西日本のローカル線でよく見るキハ120が1両で到着。
どうせ客が少ないのなら、もっと豪華で座り心地のよい座席にすれば、乗りたいと思う人も少しは増えると思うのだが。
もっとも、思ったより客は多く、地元の人のほうが多かった。車社会とはいっても、やはり公共の足は必要である。
福井までの所要時間はバスと大差ないが、運賃は鉄道のほうが安い。


列車の後ろのほうに乗ると、窓の外に絶景がひろがった。白山連峰の南側にあたる山々だろう。
思わず立ち上がり、スマホで動画を撮影。こういうとき、ワンマン列車だと車掌がいないので思う存分写せるのがいい。
昔だったら周囲の目が気になって照れくさいところだが、最近はカメラやスマホで撮影するハードルが下がったのが喜ばしい。

一乗谷駅

途中でこんな駅が。小さな駅ではあるが、歴史好きと思われる中高年のグループが何人も乗り込んできた。
福井までは約1時間の行程である。

国鉄時代の1982年には、逆コースで越美北線の終点九頭竜湖まで乗り、そこから国鉄バスで越美南線の北濃へ。そして越美南線で美濃まで乗って名鉄美濃線に乗り換えるという旅をしたことを思い出す。
いまは、越美北線と南線を結ぶバス路線もなくなってしまった。
下の2枚の写真は、そのときに撮ったものだ。上が越美南線北濃駅、下が越美北線九頭竜湖駅である。

1982年の越美南線北濃駅

1982年の越美北線九頭竜湖駅

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著書

  • 社会人に絶対必要な語彙力が身につく本[ペンネーム](だいわ文庫)
  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
  • 『日本懐かし駅舎大全』(辰巳出版)
  • 『鉄道黄金時代 1970s──ディスカバージャパン・メモリーズ』(日経BP社)
  • 『国鉄風景の30年―写真で比べる昭和と今』(技報堂出版)
  • 『全国フシギ乗り物ツアー』(山海堂)
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