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2021-12-09

ガンジからパレルモへ──車窓から見た町々

ガンジからパレルモまでは、sais社が運行するバス便が2、3往復ある。
曜日や休校日などの関係で運行しなかったり運行したりと複雑であるが、宿の女主人が観光案内所だかの知人に電話して、夕方に出る最終バスの確認をしてくれた。だが、私がネットでようやく調べあてた時刻とは10分ほど違っている。
イタリアではよくある話だ。まあ、早く行っておけば問題はない。
結局、私が調べた時刻のほうが合っていたようである。

ガンジ遠景

「バス停まではどうするの?」
 坂を下っていくだけだから、「歩いていきます」と答えた。
「えー、そんな大荷物を持って大変よ。車で送っていくわ」と宿の主人。
 確かに、重いスーツケースを持って、あれだけの階段を降りるわけにもいかない。だからといって車道を歩くのでは、ヘアピンカーブ連続のとんでもない大回りになってしまう。親切に甘えて乗せてもらうことにした。

ペトラリーア・ソプラーナ

パレルモまでの所要時間は2時間あまり。便によって経由地が多少違っている。
以下、何枚かはバスの車窓から見た景色である。窓ガラス越しなので、色の調整がなかなかうまくいかないのはご容赦を。
トップの写真はガンジ。晴れていれば、このバックにエトナ山がドンと見えるはずなのだが残念!
実は、その景色を期待したのだが……。冬晴れの日の景色をネットで見たが、それだけを見に再訪してもいいくらいである。

バスの車内から

そして、20分ほど走ると、隣町のペトラリーア・ソプラーナ。2枚目の写真である。
ソプラーナという名前だけあって、丘の上に町並みが連なっている。
これを見ただけで、この町にも来たくなる。

そして、そこからすぐのところに位置する町が、下の写真のペトラリーア・ソッターナ。
あとで調べたところによると、ここは「アートの町」なのだそうだ。

ペトラリーア・ソッターナ

この町の見事さは降りなくてもわかる。
中心部を横切り、町外れに出ると、町をぐるりとまわっていく。それにつれて、刻々と町の様子が変わっていくのが素晴らしい。
──ここも訪れなくては。
また宿題が増えてしまった。町には宿もいくつかあるようだし、パレルモからこうやって路線バスがあるので、再訪の難易度はそれほど高くない。

ペトラリーア・ソッターナ

そして、下の写真は逆光になってしまったが、山中の最後の町。
名前は忘れてしまった。あとで、撮影時刻と時刻表を照合すれば場所がわかるだろう。
デジタル時代になって便利になったことの一つである。

途中の町

そのあとは高速道路に乗ってパレルモに一直線。
パレルモ駅横にあるバスターミナルに着いたのは夜の8時すぎだった。

パレルモのバスターミナル

宿に荷物を置いて食事をしたのちに、パレルモの中心部をぶらぶら。
ときおりすさまじい雷鳴がとどろいて、にわか雨が降るなか、雨をやり過ごしてクラフトビールを飲んだりと、楽しい散歩であった。
イタリア語ではビッラ・アルティジャナーレ。直訳すると職人ビールという感じか。

パレルモのクラフトビール

1990年代半ばごろまでだったら、夜のパレルモなんて危なっかしくて歩くのもびくびくだが、もうそんな時代ではなくなっていた。
観光客で賑わう中心部の道は歩行者専用となり、まばゆいばかりの店のあかりがもれてくる。
まさか、そこから1km程度しか離れていないところで、大変な集中豪雨になっているとは、このときは知るよしもなかった。
(2017年シチリアの旅・完)

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イタリアの旅 北から南まで」カテゴリの記事

コメント

日本からの直行便でパレルモに向かうと到着が深夜になるんですよね。今では、だいぶ夜の雰囲気もよくなりました。
クラフトビールが盛んになったのは2010年代後半に入ってからだと思います。ベルギービールの手法を勉強したワイン農家二世も多いらしく(親の古くさいワインづくりにうんざりして)、本当においしいビールが飲めます。海の幸のフリットなんかにはぴったりです。

パレルモを訪れたのは2001年でした。駅から少々離れたところに宿を取っていて、特に夜は駅には近づかなかったと記憶しています。

イタリアでクラフトビールの製造が盛んになったのはいつ頃からなのでしょう。
メニューに興味深いビールがあっても、結局はワインを選んでしまうので、多分一度も飲んだことがないと思います。

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著書

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  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
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