« オリンピック 五輪色の東京スカイツリー | トップページ | 絶壁の町カステルモーラから徒歩で下山 »

2021-08-26

タオルミーナで順光のギリシャ劇場を見る

何度目かの緊急事態宣言が発出中で、海外はおろか日本国内も気ままに旅ができない今日この頃。
ブログに書いてこなかったここ数年のイタリア旅を、ざっと振り返ってみたい。
まずは、2017年9月のシチリア旅行から。

目的は友人夫妻の結婚記念写真を撮りに、シチリア南西部のシラクーサ、ラグーザ、モディカなどをめぐるところからはじまった。
その目的もはたして、当の新婚夫婦と私の妻と4人でやってきたのがタオルミーナ。

タオルミーナ・ジャルディーニ駅

地中海に面したクラシックな駅は40年前に初めて訪れたときのままで、行き交う車両だけが新しくなっている。
タオルミーナは丘の上にあるので、ここからタクシーで向かった。

メッシーナ門近く

旧市街の東の入口にあたるメッシーナ門近く。ここは門の外なので、バスや一般車両も走っている。
1泊の宿は、門を入ってすぐのこぎれいなB&Bだ。

4月9日広場

さすがに、イタリアでも有数の観光地である。夕方になると、狭い通りは人でぎっしり。
地中海の夕景を見ようと、4月9日広場にはたくさんの観光客が集まっていた。
週末とはいえ、9月に入ってもこれなのだから、7月や8月はさぞかし賑わっていたのだろうと想像する。

ギリシャ劇場

わざわざタオルミーナに泊まったのは、友人夫妻がカターニア空港から帰るのに便利なこともあったが、ギリシャ劇場を順光で写真に撮りたいという理由もあった。
前回、日帰りで立ち寄った悟ったのだが、エトナ山をバックにすると午後はもろに逆光になってしまうのだ。方角を考えると、順光で撮るのは朝一番で訪れるしかない。

というわけで撮ったのがこの写真なのだが、よく見るとわかるように客席がしつらえてある。この夜、イタリアのベテラン歌手レナート・ゼロのコンサートがあると知ったのは、前夜Facebookでタオルミーナにいることを書いたときに、イタリア人の知人から受け取ったコメントであった。
1980年代からレナート・ゼロは好きな歌手なのだが、切符を買っていないからコンサートが見られるわけではない。それよりも、観光写真としてストックするには、余計なものが入ってしまったのが複雑な気持ちである。

丘の上の町と海岸を結ぶロープウェイ

そして、これは丘の上の町と海岸を結ぶロープウェイ。
日本のロープウェイは等間隔でひっきりなしに発車するのが一般的だが、ヨーロッパではこのように複数の搬器が連なって進むものが多いようだ。

« オリンピック 五輪色の東京スカイツリー | トップページ | 絶壁の町カステルモーラから徒歩で下山 »

イタリアの旅 北から南まで」カテゴリの記事

コメント

それは貴重な体験でしたね。
シチリアは北海道と九州の間くらいの面積があるので、島だと思ってなめていると、移動に時間がかかりますよね。

はい、駅近くのホテルだったと思います。

さる旅行のシチリアツアーに申し込んだのですが、客は私たち2人だけで、貸切タクシーでシチリア島をかなり広範囲にわたって移動・観光することになりました。

私も大昔(1982年元旦)に訪れたときは、海岸沿いのホテルに泊まりました。しかも、丘上まで登らずじまいに終わるという、徒然草の「仁和寺にある法師」みたいなことをしてしまいました。
お泊まりになったのは駅の近くのGiardini地区でしょうか? ロープウェイは、そことは岬を隔てた反対側(北側)にあるイーゾラ・ベッラ方面に向かうためにつくられたもののようです。

タオルミーナを訪れたのはちょうど20年前でした。
ホテルが海岸近くだったため、丘の上の街までバスで行き来していたと思います。一度だけ歩いて登った記憶もあります。
ロープウェーのことは全く覚えていません。

眺めよりもスピードが優先なんでしょうね。
最近、イタリアの鉄道は力が入っています。
日本と違って在来線も標準軌ですから、新幹線をわざわざつくらなくても、在来線の強化でかなりのスピードアップが望ますし。
高速道路や航空機に対抗するためには、どうしても路線改良は必要なんでしょうね。眺めは降りてから楽しめということなのか。

あー、やっぱり幻記事を読んだわけではなかったんですね。
なんででしょ。メッシーナ〜カタニーニア間を高速化するつもりでしょうか。海沿いの鉄道はいいのにね。窓ガラスが綺麗だともっといいんですが。
私は列車はどうでもよくて駅舎に興味があるんですが、大事に保存されてるより日常的に使われているのが好きです。ポルトのサンベント駅みたいに。

イタリア版ウィキペディアのタオルミーナ駅の記事に、海岸線に沿って走る線路を付け替えるようなことが書かれていますね。今後の予定や移転先の場所などの詳細はわかりませんが。
以前、リヴィエラ海岸に沿って走る路線が、山のほうをトンネルで抜ける直線的な路線に付け替えられて味気なくなってしまいましたが、ここもそうなるのかもしれませんね。

タオルミーナの駅が移動するという記事を去年あたりにどこかで読みました。
少しずらしてトンネル内だか地下だかになって、現在の駅舎はミュージアムになって保存されると。でもその記事が見つかりません。私は幻を見たのかな?
いつ頃を予定してるのか、イタリアのことだから(それもシチリアのことだから)あってないような予定でしょうが……

いずれにしてもこの綺麗な駅舎を見ておいてよかったです。あの日、Etna Trasportiのバスがストでなければきっと駅を使いませんでしたから。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« オリンピック 五輪色の東京スカイツリー | トップページ | 絶壁の町カステルモーラから徒歩で下山 »

著書

  • 社会人に絶対必要な語彙力が身につく本[ペンネーム](だいわ文庫)
  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
  • 『日本懐かし駅舎大全』(辰巳出版)
  • 『鉄道黄金時代 1970s──ディスカバージャパン・メモリーズ』(日経BP社)
  • 『国鉄風景の30年―写真で比べる昭和と今』(技報堂出版)
  • 『全国フシギ乗り物ツアー』(山海堂)
無料ブログはココログ

.