ミニバスで巨大仏塔のあるボダナートへ
パクタプルを訪れた翌日も、カトマンドゥからミニバスで近郊めぐり。
まず向かったのは、カトマンドゥ中心部から小一時間のボダナート。巨大なストゥーパ(仏塔)で有名な町だ。
ボダナート行きのミニバス乗り場は、パクタプル行きとはまた違うバスターミナルにある。
バスの行き先はネパール語でしか書かれておらず、外国人には難易度が高い。だが、30年前と同じく、バスの前で若い車掌が「ボーダボダボダ、ボーダボダボダ」と客を呼んでいたのですぐわかった。
ミニバスの車内はこんな感じ。
もちろんエアコンなどは付いていないが、窓が全開なので走り出せば十分に涼しい。
なんといっても、地元の人たちが利用する乗合バスに同乗することで、旅に出たという気分も盛り上がる。
30年前のボダナートのバス停の記憶はまったくないのだが、たぶん交通量は格段に増大したのだろう。
それに対する道路の整備が追いつかず、道は埃でもうもうとしており、100m向こうが霞んでいる。
同じバス停で降りた人の流れに従っていったところ、すぐにストゥーパの入口にたどり着いた。
ここのストゥーパは世界遺産に指定されているが、周囲は江ノ島か浅草のような庶民的な雰囲気で、円形のストゥーパを取り囲むように、周囲360度を、レストラン、喫茶店、土産物屋などが取り囲んでいる。
下の動画は、そんな喫茶店の一つの屋上テラスから眺めた景色。
豆粒みたいな人間の大きさを見れば、その巨大さがわかるだろう。
ストゥーパの途中まで登ったあとは、周囲を時計回りに一周。
たくさんの人びとが訪れており、境内には赤い袈裟を着たチベット仏教のお坊さんたちも数多く見かけた。
観光客や参拝客がうろうろしているのは、ストゥーパ周囲と付近の半径300mくらいか。
境内の外にも多くの土産物屋があった。
ところで、この町には中国のチベット併合から逃れてきた難民も多く、日本人に近い顔の人が数多く見られる。
昔読んだガイドブックには、チベット動乱で逃げてきたチベット人は、中国人をひどく嫌っていると書かれていた。
事実、30年前に入った土産物屋では、応対してくれたチベット人の中年女性が、「あそこに中国人の団体が来ているのよ」とものすごく嫌なものをみるような顔をしていたのが印象的だった。
最近では、ここネパールでも中国人は上客らしく、あちこちに中国語の看板を目にしたが、はたして人びとの心も変わったのだろうか。
下の写真は、参道で岩塩を売っている店。ピンク色や黒い塩がある。黒い塩は硫黄分を含んでおり、風呂に入れると温泉気分にひたれる。
下の2枚は、1989年にボダナートに来たときの写真。
当時は、ストゥーパの上のほうまで登ることができた。
今では上まで登ることができないので、山を遠望できないのが残念である。
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