味わい深いリスボン サンタ・アポローニャ駅
たったの2泊3日だったが、濃密なリスボン滞在であった。
アルファマに近いサンタ・アポローニャ駅から、コインブラに向かったのは9月21日のこと。
ここは、昔ながらの始発駅という情緒を色濃く残している駅だ。
下の写真で、右端に半分だけ写っている青っぽい建物が駅の正面。
駅の雰囲気はいいのだが、切符の自販機がないのには困った。
午前中にベレンに行く前に購入しようとしたところ、出札口はかなりの行列で、窓口にたどりつくまでに20分ほどかかってしまった。
しかも、希望した最速の特急列車はすでに満席。
その前の列車も、並びの席はなく、通路をはさんで隣り合う席がようやく買えた。
やはり、ネットで買うのが正解のようである。
フォロからリスボンへの列車は、ポルトガル鉄道のサイトに登録してまで予約しておいたのだが、リスボンからコインブラまでは本数が多いからと甘く見ていた。
旅先ではチケットの控えの紙を印刷できないから困ると思ったが、スマホがあればいいんだし、車内ではそれさえも見せることなく、名前を聞かれただけで検札が終わった。
コインロッカーも幸い空きがあってよかったが、鍵をかけてコインを投入してレシートを受け取る手順が、日本と微妙に違っていた。
一応、手順が図解されているのだが、欧米系の旅行者もとまどっているようだった。
近くで、私たちとほぼ同時に荷物を預けていた老夫婦などは、間違えて私たちのロッカーのレシートを受け取って2ユーロを投入してしまっていた。
もちろん、丁寧に説明をして2ユーロを支払い、レシートを受け取った。
さらに、彼らが荷物を預けるのを手伝ってあげたのは言うまでもない。
出発時刻までは、学食みたいなカフェでビールを飲み、駅構内にあるスーパーマーケットを見物したり、駅の端から端まで歩いて写真を撮ったりと、意外と忙しく過ごしたのである。
最後に、1981年との定点比較写真を撮影。
37年前は、この駅からスペイン経由でフランスに直通する国際列車に乗ったように記憶している。下の写真の右側の列車である。
まだ20代だった私は、時刻表を見間違えて、発車予定時刻の2時間後に駅に来たのだが、まだ列車は発車していなかった!
近くの乗車口にいた女の子2人連れに「この列車は何時に出発するの?」と尋ねたら、「私たちもわからない」と困ったような顔をしていたっけ。フランス人だった。
結局、始発駅だというのに3時間も遅れて発車。
どうなるのだろうと思っていたら、フランス国境の駅で3時間も停車するスケジュールになっているではないか。
「最初から遅れを見越しているのか!」とびっくり。
フランス領内に入ったとたん列車のスピードが上がり、時刻表どおりに走るようになったのが印象的だった。
今回の旅では、さすがにそんなに遅れることはなかったが、このとき私たちが乗る列車は30分の遅れでリスボンをあとにしたのであった。
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