川に面した国境の町アヤモンテ
ウエルバを13時に発車したバスは、人家もまばらな乾いたアンダルシアの野を走り、14時15分に終点のアヤモンテ(Ayamonte)に到着した。
この町の西側を流れるグアディアナ川は、ポルトガルとの国境でもある。
1981年の旅と同じく、船に乗って向こう岸のポルトガルに渡ろうという計画である。
ところが、バスターミナルは昔の駅の跡をそのまま使っているようで、市街地の東の外れにある。
タクシーも停まっていないので、石畳の上を、重い荷物をごろごろと20分ぐらい転がして歩かなくてはならなかった。
37年前に来たときは、垢抜けない田舎町だという印象であったが、今回見ると、いつのまにか立派な保養地になっているようだ。
旅行のハイシーズンは過ぎていたが、地元スペイン人のほか、ヨーロッパの観光客が来ていた。
昔との定点対照写真を撮りつつ、西へ西へと歩いていくと、行く手に川が見えてきた。
これが国境のグアディアナ川だ。
ここの観光客のほとんどは、自家用車でやってくるのだろう。
そんななかで、大きな荷物をごろごろ転がしながら歩いている東洋人の夫婦は、かなり異彩を放っていたと思う。
9月半ばまでのハイシーズンなら、日中30分おきにフェリーが運航されているのだが、このときはすでに1時間おきになっていた。次の出発時間は15時である。
ちょうど、対岸からフェリーがやってくるところが見えた。
「あんな小さい船のどこに車が乗せられるんだ?」
そう思ってよく見ると、なんと甲板に3台の車が見えた。なるほど、確かにフェリーには違いない。
同じ船に乗る乗客は、60~70人はいただろうか。どう見ても観光客ばかり。しかも、全員が全員、手ぶらまたは小さなショルダーバッグを下げている程度。
どうやら、両岸の町のどちらかに泊まっていて、時間つぶしに船で往復しているのだろう。
ここを旅の通過地点としているのは、私たちだけであった。
川の上流を見ると、大きな吊り橋が見える。あれができたことで、この船を利用する人は激減したのだろう。
でも、小さな船で川の国境を越えるなんて、とってもロマンチックではないか。
アヤモンテの定点比較写真は次回に。
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