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2018-10-20

セビーリャの今昔を味わう定点比較写真

さて、しつこく書いているように、今回の旅の目的の一つは、37年前に来たコースをたどるセンチメンタルジャーニーなので、当時写真を撮ったのと同じ場所で撮影を試みた。

日本でも拙ホームページの1コーナー「東京 -昭和の記憶-」で公開している定点対照写真である。
2015年にはロシアでもやって、「ひたすら眺めていたシベリア鉄道」の本にも収録してある。(まだ本の在庫はあります!)

……と、宣伝はこのくらいにして本題である。
とりあえず、旧市街で撮った3カ所を紹介しよう。

まずは、旧市街中心部にありながら、賑やかな場所から少し入った地元の人向けの商店街といった風情のフランコス通りの今昔から。

1981年のフランコス通り
2018年のフランコス通り

古い写真は色が悪くて恐縮だが、カメラを構えていたら修道女が通りかかったのか、修道女が通りかかったからカメラを構えたのかは忘れたが、真正面で撮っては失礼なので、隅に入れて街並みを中心にしたアングル。
確かに、こんな地味な雰囲気の町だった。
今でも、建物はほぼ昔のまま。右側の建物は、正面をちょっと改装していることがわかる。

1981年のサルバドール広場
2018年のサルバドール広場

次は、やはり中心部にあるサルバドール広場。左は、イグレシア・デ・パスという教会。日本語にすると、平和教会という感じか。この写真手前側には、広場の名前になった大きなサルバドール教会があって、まるで教会銀座のよう。

今では、広場には日除けがかけられて、市民や観光客の憩いの場となっている。

1981年のセビーリャ大聖堂前
2018年のセビーリャ大聖堂前

この写真だけは、撮影場所をほぼ覚えていた。セビーリャ大聖堂の周囲である。
とはいえ、大聖堂はこの写真の背後にあって、この建物はインディアス古文書館というのだということを、今回知った。

1981年の写真では、大勢の人がバスを待っていたようである。
今回行ってみると、建物の外壁はきれいに修復されていた。バス停は移転したようで、観光馬車のたまり場となっていた。

セビーリャの中心部

実は、昔の写真はどこで撮ったかの記憶がなく、旅行前にGoogleストリートビューで、さんざん調べたのである。
最後の大聖堂前は覚えていたが、前の2枚がわからない。

なにしろ、当時は足の向くまま気の向くままで歩いたものだから、前後の写真の場所から足どりをたどり、「このあたりかな」、と見当をつけては「違ったか」という繰り返しであった。

夕暮れの小さな広場

下の3枚は、今回の旅で撮った街角のスナップと教会内での写真。
一番下の写真は、さきほどのサルバドール広場に面したもう一つの教会であるサルバドール教会の内部である。

37年前の旅で、スペイン(少なくともアンダルシア)の教会にあるマリアさまは、どれもリアルで色っぽいことが記憶にあった。端正な顔だちは、日本人好みではないかと思う。
前回は、コルドバだったか、セビーリャだったかで、この色っぽい顔で涙を流しているマリア像を見て、20代なかばの純情な私はきゅんときてしまった。

サルバドール教会

この日は、どういう催しなのかはしらないが、そのマリア像の手に参拝者が次々とキスをしていった。
左の男の子は、そのたびにマリアの手を拭いている。
確かに、唾液を通じて病原菌がうつるといけないからね。消毒しているだろう。
大昔は、そんなことをしていたのだろうか。

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著書

  • 辞書には載っていない⁉ 日本語[ペンネーム](青春出版社)
  • 社会人に絶対必要な語彙力が身につく本[ペンネーム](だいわ文庫)
  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
  • 『日本懐かし駅舎大全』(辰巳出版)
  • 『鉄道黄金時代 1970s──ディスカバージャパン・メモリーズ』(日経BP社)
  • 『国鉄風景の30年―写真で比べる昭和と今』(技報堂出版)
  • 『全国フシギ乗り物ツアー』(山海堂)
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