中国山地ローカル線乗り歩き 木次線(3) 出雲横田~出雲坂根
先月(2018年7月)はじめに西日本を襲った大水害によって、この木次線では出雲横田~備後落合が不通となっていたが、8月8日、つまり今日から運行が再開された。
災害を受けて、そのまま廃線になる例も少なくないため、木次線もどうなるかと心配されたが、まずはめでたい限りである。
さて、これは5月29日のこと。
出雲横田駅には12時51分着。この駅では、上下の列車が交換できるだけでなく、車両を留置しておく側線もある。このときは、写真のように赤い車体のキハ120がとまっていた。
右側のクリーム色のキハ120が、宍道から乗ってきた列車である。
この駅では18分も停車するので、車両を降りて駅をくまなく徘徊……じゃなくて見学。
新しいトイレも利用した。
駅舎は出雲大社をイメージしているのか、寺社つくりを思わせる立派な建物である。
駅舎の入口には注連縄が張られていた。
駅前には奥出雲交通と記されたミニバスがとまっていて、列車を降りた老婦人が乗り込むと、まもなく発車していった。
こんなバスを見ると発作的に乗りたくなるのだが、そんなことをすると晩に泊まるところがなくなるので自粛した。
出雲横田で後ろの1両を切り離し。
その1両は、折り返しの宍道行きとなって、先に発車していった。
出雲横田から備後落合方面はぐっと本数が減って、平日3往復になる。
ちなみに、宍道方面は平日10本が設定されているのだが、そのうち3本は途中の木次駅止まりなのが珍しい。
つまり、山陰本線の接続駅である宍道駅まで行かず、ローカル線の途中駅発途中駅着というわけなのだ。
出雲横田を発車すると、列車はやや開けた盆地を走っていき、数分で次の八川駅へ。
Wikipediaによると、この駅の1日平均利用客数は2004年度以降2人以下。2014年度以降はゼロである。
1日平均がゼロということは、通学客もいないということだろう。
1994年度は34人、1984年度は42人だったとのことで、その変化が寂しい。
と、センチメンタルな気分にひたっているうちに列車は森を縫って走り、やがて左手に別の線路が寄り添ってきた。
これはほかの路線ではなく、出雲坂根でスイッチバックする線路である。
これが本日のメイン・イベントなのだ。
出雲坂根でも20分の停車をするので、列車から降りて無人の駅を端から端まで徘徊。
すでにこのとき、列車の客は私を含めて3人になっていた。
ほかの2人は、年のころは40~50代か。地元の人ではなくて、列車に乗るために来たようである。
とくにあいさつをするわけでもなく、でもお互いになんとなく気を使いながら、あっちへ行ったり、こっちへ来たりとうろうろしながら、コンパクトカメラで写真を撮っていたのである。
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