ソロの路地裏歩き(その2) 王宮近くのひそやかな一角
ソロには1泊2日の滞在だったが、午後2時過ぎの列車に間に合えばいいので、なるべく町を見て歩こうと考えた。
ソロには、カスナナン王宮とマンクヌガラン王宮という2つの王宮がある。1つの町に2つの王宮が存在しているところが、どこか南国っぽくておっとりしている。両方を見ていると町歩きの時間がなくなるので、2つのうち、やや古風に思われるカスナナン王宮を選ぶことにした。
最初の写真は大通りから王宮に向かう門をくぐったあたり。ホテルの真向かいにあるので、危険な大通りさえ無事に渡れれば、ここまではすぐである。沿道には大木が生い茂り、意外と涼しい。
だが、ここからが遠かった。遮るもののない炎天下の道を歩くこと10分近く、ようやく着いたのが王宮前の広場。塔屋のあるのが王宮の敷地内である。だが、王宮に入るには、さらにぐるりと左側を大回りして数分間歩かなくてはならなかった。
王宮内には今も子孫の方々が住んでいて、意外と近代的な部分もある。広い中庭と中央にそびえる大木が印象的で、公開されているさまざまな収蔵物もなかなか見応えがあった。
とはいえ、王宮についてはさまざまな人が写真を撮っているだろうから、ここでは王宮付近の路地裏の様子を紹介しよう。
王宮前で客待ちをするペチャのおじさんたちからは、「乗らないか、乗らないか」と声をかけられるのだが、「ジャランジャラン(散歩)をしたい」といって拒み、王宮東側の静かな一帯に歩を進めた。
地味で小さな土産物屋が2軒並んだ先にあったのが、この像。ヒンドゥー教のヴィシュヌ神である。王朝が栄えたころの宗教の名残だろうか。
さらに進むと、一軒の家からレインコートをすっぽりかぶったような格好の女性が出てきた。上の写真の左に小さく写っている人である。
ちょうどお昼の礼拝の時間。左奥にある緑色の屋根のモスクに向かう人だった。町の中心の大きなものとは対照的に、近所の人が集まる小さなモスクだった。
上の写真は、ほぼ同じ地点から、来た道を振り返ったところ。奥に見えるのが王宮内にある塔屋だ。右の青いものは軽食の屋台である。
日中はあまりに暑過ぎるので、人通りも少ないが、そんななかで見かけたのが下の写真の子。
カメラに向かってポーズをとってくれたわけではないが、こんな格好になってしまった。
さて、さらに狭い道を曲がると、そこにはひそやかな下町の路地裏が広がっていた。
我が実家の墨田区にある路地裏をちょっと思わせる。
そんななかにも、小さな小さな雑貨屋があったりして楽しい。夕方にもなれば、もう少し人の行き来もあるのだろうか。
そして、もとの道に戻る手前にあったのが、この大きなお屋敷。左にあるアルファベットを翻訳ソフトで調べたが、意味はわからなかった。固有名詞なのかな。
門の外からおっかなびっくり写真を撮っていると、2台のペチャが悠然と屋敷の中に入っていった。
誰かが出てくるのかなと思ったが、ペチャの車夫はそのまま玄関のあたりで座り込んで話をはじめた。お客さんが出てくるのを待っているのかもしれない。これまた南国らしい、のどかな光景だった。
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