ソロの路地裏歩き(その1) バティック通りとナマズのから揚げ
車とバイクの洪水でカオス状態の大通りに疲れて、脇道に逃げ込むことにした。
ガイドブックに、「バティック工房が多くある一帯」と書かれている。
バティックとは、東南アジアから南アジア一帯で制作されている「ろうけつ(蝋纈)染め」のことで、陽光に映える素敵な模様のシャツやテーブルクロスが魅力的である。
狭い道をバイクがしばしばうなりをあげながら通りすぎていくが、まあ表通りよりははるかにましである。
この写真の右側に写っている人力車おお兄さんは、何か食材を運んでいるところだろうか。
そろそろ日も傾いて、夕食の用意もはじまるころである。
インドネシアでは女性も活発に動いている。
ヒジャブ(ヘジャブ)をかぶっている女性というと、中東のイスラム教徒(とくにサウジアラビアあたり)を思い浮かべて、もっぱら家で静かにしているというイメージがあるのだが、それは偏った見方であることを実感した。
ヒジャブをかぶってさっそうとバイクにまたがっている女性は、なかなかカッコいい。
放し飼いのニワトリがバイクにひかれないか心配だったが、お互いに慣れているんだろう。
しばらく歩いていると、馬車が2台停まっているのが見えてビックリ。
そう、このバティック通りは観光地なのだ!
建物の上に据えられた彫像にも注目。機織りをしている女性の姿か。
浅草・合羽橋交差点にあるニイミ食器のコックさんのハリボテを思い出した。大きさがだいぶ違うけど。
観光地とはいっても、土曜日というのに観光客の姿はなく、馬丁も暇そうである。
まあ、ここはあくまでも制作をする場所なのであって、小売りよりもインドネシア各地に出荷するのがメインなんだろう。
バティックのシャツを買って帰りたいのだが、あまりにも店がありすぎて選ぶだけでも大変そう。
店頭には200円程度のシャツもあったりして、これなら2、3回洗濯してダメになってももったいなくないなんて思うのたが、せっかくだからいいのを選びたい。
あまりにも選択肢が多いと、かえって困ってしまうという真理を地で行くことになってしまい、店には入らなかった。結局、最後に空港でいいシャツ(でも高い)を買うことになる。
遠慮がちに店にカメラを向けたら、赤ん坊を抱えている女性が笑顔で応えてくれたのが下の写真である。
そして、交通量の少ない路地裏には、やはりネコの姿が。
このネコは親子なのだろうか。何枚も写真を撮っていたら、「いいかげんにしろ」とばかりに親猫ににらまれた。
歩き回って疲れたところで、妻が目をつけていた「カフェ」に入ることにした。
店には10代から20代と思われる若い男の子が数人働いている。
ところが、「Cafe」と書かれているのだが、コーヒーも紅茶もないという。
英語もほとんど通じないので、やむなく店を出ようとすると、近くで友人と話していた店長らしい年かさ(といっても20代前半)の男性が話しかけてきた。
「コーヒーはないけれども、ジャワ名物のスペシャルな飲み物がありますよ。いかがですか?」とわかりやすい英語でいう。
じゃあ、それをいただきましょうということで待っていたら、ずいぶん時間をかけてつくってくれた。
しょうがだかウコンだかと、何種類かの薬草(たぶん)をたっぷり煮出した飲み物で、いかにも体によさそうな味がする。
1杯飲んだら汗をびっしょりかいて元気が出てきた。
最後に店の男の子に飲み物の名前を聞こうとするのだが、どうにも発音がよく聞き取れない。
そうだ! と思ってスマホを取り出しすと、すっすっと入力してくれた。
その名は、Wedang rempar
今やどこの国でも若い子はスマホが使えるんだね。
この飲み物の材料は、ソロのあとに訪れたジョグジャカルタのスーパーでパックになって売っていたので、妻が大量に買い込んだ。これで今年は夏バテ知らず……になるといいのだが。
ところで、この店の客は若い人が多く、みんな揚げ物とご飯を食べて、さっさと帰っていく。どうやら、ジャワ風ファースト・フード店のようだ。
何の揚げ物かと思ってカウンターを覗き込んだら、これ。
ナマズのから揚げだった。小さなナマズを丸ごと揚げてある。せっかくだから、私も1匹だけいただくことにした。
ナマズ鍋は東京のどじょう屋で食べたことがあるが、揚げ物は初めてである。いかにも白身魚らしい淡白な味が結構でした。
店を出ると、すっかり日が暮れていた。
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