ジャワ島横断 鉄道の旅2 スラバヤ~ソロ
スラバヤから乗った「ランガージャーティー号」でも、やはり一番高いエグゼクティブクラスを購入した。
「日本円にすればたいした違いがないから、一番高いのにすれば間違いないですよ」というのはラジャアンパット在住の知人の話である。
さて、この列車の始発駅スラバヤと終点のチルボンは、どちらもジャワ島の北海岸にある都市だが、この列車は海岸沿いを走るわけではない。
ジャワ島中央部を東から西に斜めに南下して、中央部にある古都ジョグジャカルタを経由すると、今度は北上してチルボンに向かうという遠回りのルートをとるのである。
島の中央部を通るというので、さぞかし山また山の車窓が見られるかと思ったら、意外にもずっと平坦であった。
ちょっと拍子抜けしたが、車窓の田園風景には心が休らぐ。
発車してしばらくすると、車内販売がまわってきた。
バニュワンギ~スラバヤでの食いはぐれ事件かあったので、1回目の巡回で弁当を確保しようと、まさに販売員に声をかけようとしたところで、妻から「待った」がかかった。
朝食をしこたま食べたので、たぶん昼になってもお腹が空かないだろうという。
確かに、スラバヤの新しいホテルはバイキング方式のメニューがどれも美味だったので、朝っぱらから満腹になっていたのであった。
今度の車内販売のお姉さんは、写真のように髪をすっぽりと覆ったヘジャブ風の制服(制帽?)をつけている。
せっかくだから、コーヒーを注文した。インドネシアでコーヒーを頼むと、「カプチーノ? ブラックコーヒー?」と聞かれる。
ブラックコーヒーというから砂糖なしなのかと思うと、そうではなくてミルクコーヒーでないやつは全部ブラックコーヒー(コピ・ヒタム)と呼ぶようだ。
あとはコーヒーを飲みながらのんびりと車窓を楽しむだけなのだが、この列車の窓ガラスは汚れていて(あるいは傷だらけで)、残念ながら撮影欲はあまり刺激されなかった。
といいながら、それでも何枚か撮ったのが今回の車窓写真である。
この日の宿泊地は、ジョグジャカルタの手前にあるソロという町。
ソロ出身の音楽家グサンによるクロンチョンの名曲「ブンガワン・ソロ」は、この町を流れるソロ川を歌ったものだ。
ガイドブックによれば、ジョグジャカルタを京都とすれば、ソロは奈良に当たるという。
「ソロは落ち着いたいい町ですよ!」
ラジャアンパットの知人のすすめもあって、ジャカルタでの宿泊を省略してソロに泊まることにした私たちである。
彼のアドバイスの前半は必ずしも正しくはなかったが、後半は間違いではなかった。
いや、彼が何年も前に訪れたときは、もっと車もオートバイもなくて落ち着いた町だったに違いない。
ちなみに、ソロの現在の正式名称はスラカルタだそうだが、今でも旧称で親しまれているようだ。
ソロの中央駅にあたるソロ・バラパン駅には、定刻の13時25分に到着した。
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そういわれてみると覚えていないのですが(笑)、とくに悪かったという印象はないので、乗り心地はまずまずだった思います。
紙のコーヒーカップを、前の座席の背にくっついているカップ受け(日本の車両にもあるやつ)に置いておいても問題ありませんでしたし。
インドネシア鉄道のバイブルともいえる『インドネシア鉄道の旅』(古賀俊行/潮書房光人社)によると、客車は国産のようですね。
インドネシアは、発展途上国にしては珍しく国産の鉄道会社があって、電車や機関車もつくっています。もっとも機関車の大半は欧米(とくにアメリカ)からの輸入のようです。
投稿: 駄菓子 | 2017-06-25 16:34
列車の乗り心地はいかがでした?
車両はどこのメーカーでしたか?
投稿: nebbiolo | 2017-06-23 10:43