多良間島の集落をぶらぶら散歩
夏の思い出、多良間島の続きです。
村の周囲に点在する史跡をめぐったのち、集落に突入。
上の写真は中心部あたりで見かけたおばちゃん。
帽子(?)がおしゃれだ。
これもまた中心部近くの「比嘉おかず店」。
沖縄の食堂では、よく「おかず」という謎のメニューを見かけることがある。
野菜とポークの炒めものをベースにした一皿で、ときに目玉焼きが乗っていたりする。
で、「おかず店」というのは弁当屋のような存在……であるらしい。
この店は覗いていないのでよくわからないけれど。
この小さな島で、どれだけ弁当屋の需要があるのかは不明である。
多良間島の集落の中心部がここ。
私たちは多良間シャンゼリゼと呼んでいた。
手前はコープ多良間店、向かいは中央スーパーである。都会ならともかく、このような小さな島で、似たような業態の店が向かい合ってやっていけるのだろうか、ひと事ながら心配になる。
正面には池城商店という看板が見えるが、どうも営業していないようだ。
沖縄の離島に来ると、どんなに小さな島でも、たいてい必ず1カ所は信号が設けられている。
「子どもが都会に出たときに、戸惑わないために」という教育的配慮なのだそうだ。
波照間島にも与那国島にも伊是名島にもあったっけ。
ここ多良間島にも、石嶺商店の前にあった。
たまに通る車は、律儀に信号を守っていたけれど、自転車のおばさんや歩行者はあまり気にしている風はなかった。
多良間島の村内では、あちこちに標語を書いた看板が立っていた。
対人口比標語看板率は、日本有数かもしれない。
そのうちから、2つほどをピックアップ。
「家庭学習 上手にかけば せいせきアップ」
あまりにもストレートで潔い内容に圧倒される。多良間小学校3年生の作のようである。
7・7・7という、意表をつきながらもまとまりのあるリズムにも脱帽した。
その2
「声かけよう うちの子 よその子 見かけた子」
こちらは、6・4・4・5である。多良間村学力向上対策委員会の作。
本土の7・5調でもなく、琉歌の8・8・8・6でもないところが新鮮。
うまくまとまっているが、さっきの小学校3年生の作のほうが素朴な力強さがある。
たとえてみれば、「万葉集」と「古今和歌集」の違いかな。
それにしても、これは、子どもを見たら誰でも声をかけろということか。
「声かけよう 見かけた子」で済む内容であるが、それじゃ標語にならないね。
うちの子に声をかけることを、わざわざ言わなくてもいいと思うが、まあそれは語調を整えるために必要なんだろう。
ランニング姿で捕虫網を持って歩いている小学生というのは、もはや離島に生息する昆虫以上に絶滅危惧種かもしれない。
実は、妻が世話になっているダイビングショップの息子の友だちの一人である。
ところで、多良間島では地域のみんなで子どもを育てるという風習が残っていて、近所の子どもを預かったり、いつのまにかよその子が泊まりに来ていたりするということが、よくあるのだそうだ。
どこかの大学の社会学だか文化人類学だかの先生が研究に来たという話を聞いた。
そして、その近所には不思議な「アイス屋」の看板が。色が落ちた部分もよく見ると「島アイス」と書かれている。
はたして、この家に入っていけば買えるのか。
結局、確かめなかった。
(つづく)
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