多良間島から豚も船に乗る
宮古島から多良間島まで、行きは飛行機(プロペラ機)に乗ったので、帰りはフェリーにしようと思っていた。
フェリー「たらまゆう」は日曜を除いて、毎日1往復しているが、年に7カ月ほどの19日には牛のセリがあるために、多良間島止まりの片道運航。翌20日は宮古島止まりになる。
牛の積み込みと積み下ろしに時間がかかるからなのだろう。
帰りは19日の予定だったが、その7月は牛のセリがない月なので、平常運航であることを多良間海運のホームページで確認しておいた。
ところが……である。
前の週にドックで整備されて出てきたはずの船に不具合があったとのことで、なんと19日からしばらく運休ということに。
これにはさすがにあせったが、飛行機の空席があって安堵した。
この写真は、ぞの前日の18日、再ドック入り直前の運航。「徐行」して宮古島に向かうという。
知人がこれに乗って帰るというので、例の村営バスで港まで見送りに行った。
すると、牛の積み込みこそなかったものの、その代わりに港で見つけたのが檻に入った2頭の豚。
このあとの我が身の運命も知らずに、フガフガと音をたてながら無心に餌をむさぼり食っていた。
興奮させるといけないので、遠巻きに見守っていた私である。
出航時刻が近づくと、フォークリフトが檻ごと豚を持ち上げて、船尾から船に積み込んでいった。
さて、19日の午前中、再び村営バスで空港に。
それにしても、飛行機の定員は19名である。空席があったからよかったものの、なかったからどうなったのか。
……と思ったが、勤め人の妻はいざ知らず、フリーランスの私はとくに問題がないことに気づいたのであった。
狭い空港では時間を持て余すかと思ったが、空港の片隅にある喫茶店でマスターとあれこれを話しているうちに、いつしか時間が過ぎていった。
愛想のいいマスターは、ひげの様子がちょっとヘミングウエイに似た、なかなか魅力的な中年男性である。
多良間のことばについて、いろいろ質問をしたが、今となってはわからないことも多いようである。
帰りも宮古島まで20分ほど。怖がるまもなく着いてしまった。
本来ならば、ボンバルディアのプロペラ機、村営のミニバス、フェリー「たらまゆう」という、多良間島の3つの公共交通を制覇するはずだっが、前述のようにフェリーに乗り損ねたのは残念である。
いつか再挑戦をしなくては。
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