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2015-08-14

観光地ファヴィニャーナ島に残るマグロ漁の面影

ファヴィニャーナ(Favignana)島は、エガディ諸島の観光の中心である。3つの有人島のうち、もっとも面積が広く、ホテルやレストランなどの施設も整っている。
初日は、この島に往復することにした。シーズン中は、トラーパニの港から15往復以上の船が出ていて、所要は高速船なら30分、フェリーだと1時間である。最終便は夜9時過ぎまであるので、十分に夕食を食べて帰ってこられる。

ファヴィニャーナ島

ちょうど日曜日だったこともあり、船着場は山のような人だかり。島の中心部の広場に行くと、こんな小さな島によくぞこれだけというほど、観光客がひしめいていた。
今回の旅の前までは、「地の果て、それはエガディ諸島」というイメージが残っていたので、多少は観光化されているとは思ったものの、さすがに驚いた。
もう一つ驚いたのは、観光客のほとんどすべてがヨーロッパ人で、この日、東洋人は一人も見なかったことである。

ファヴィニャーナ島

それでも、中心部を外れると、静かな家並みが続いている。
そんな店で見つけた魚屋がこの写真。
マグロがごろごろと並んでいた。

ちなみに、このあたりの地中海は、昔からマグロ漁が盛んだったところだ。
何隻もの漁船が、網を使ってマグロを中央に追い込み、最後にモリで突いて引き上げるという勇壮な漁法である。
マグロはイタリア語でトンノ(Tonno)で、マグロ漁はトンナーラ(Tonnara)。そして、この漁の最後の場面がマッタンツァ(Mattanza)と呼ばれている。

ファヴィニャーナ島

現在も、無形文化財のような形でマッタンツァは残っているようである。
ファビニャーナ島の土産物屋やレストランでは、そのマッタンツァの写真をよく目にすることができた。
その1枚が上の写真である。店内には、マグロのオイルやら身を加工した食品がいろいろと並んでいた。
中央に写っている親父さんは、いかにもシチリアの漁師という雰囲気で、なかなかの存在感。あごひげが見事である。

ファヴィニャーナ島

これは、別の土産物屋でみかけた写真。
どうやら、さっきの写真の中央に写っていた男性の最近の姿のようである。
「オレがファヴィニャーナのマグロ漁をしている最後の船長(漁夫長?)だ。地中海の赤マグロは最高だね。香りもいいしね。あんたも試してみなよ」といった推薦のことばが書かれている。

かつてはマッタンツァでマグロが取れると、 沖合で待ち構えていた日本の商社の船が高く買い付けをしていたのだそうだ。太平洋のマグロの漁獲が制限されているので、地中海産を輸入していたわけだ。
一部では、日本による買い占めという評判もあったが、当の漁師からは「日本のおかげで伝統的な漁を継続できている」とむしろ感謝されていたという話も聞いたことがある。
いずれにしても、日本食が広まってマグロを食べる習慣がアジア全体、そして世界中に広がったことから、状況もずいぶん変わってしまっているのだろう。

ファヴィニャーナ島

そんなことをつらつら思いつつ、夕食の時間になって選んだのがこの「トラットリーア ラ・ランパラ」。
マッタンツァを描いた絵が外壁に飾られていた。
よく見ると、さっきの写真とは、構図も人物の雰囲気もそっくりである。
あの写真を下敷きにして描いたのだろう。

ファヴィニャーナ島の夕食


最終の船に乗り遅れてはいけないので、落ち着かない食事になってしまったが、それでも最近イタリアでも人気になっている地ビールを飲み、魚介の前菜を食べ、ワインを飲み、魚介のミックスフライ(フリット ミスト)を食べることができた。
行き当たりばったりの店で魚介を食べるときは、フリットミストなら当たり外れがない。

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