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2015-08-31

わが憧憬の町シャッカへ

9月17日、3泊したトラーパニを朝9時に出発。1日に3便しかないバスで向かったのはシャッカ(Sciacca)の町である。
所要は2時間10分。かつては鉄道が走っていたのだが、現在は途中のカステルヴェトラーノ止まり。シャッカまで行く路線は廃止になっているので、やむなくバスを利用するしかないのだ。

シャッカ遠景

途中で乗客は乗ったり降りたりするが、バスの乗客はつねに10人程度。のんびりした田舎の中距離バスである。
運転手がかけているカーラジオから流れてくるのは、1960~80年代の懐かしのイタリアポップスの番組のようで、私にとっては楽しいのだが、やけに大きなボリュームでかけているので、ほかの乗客はうんざりした表情。しかも、ときに運転手がラジオに合わせて歌いだすのである。
はて、いつか似たような体験をした覚えがあるなあと思ったら、20年ほど前のインドのバスだった。あのときは夜行列車明けに乗ったので、眠れなくて困ったものだった。

シャッカ丘上の展望台

さて、シャッカは、私にとって憧れの町の一つだった。
海に面した丘かびっしりと建物で埋めつくされている様子。丘の上の町を網の目のように走る路地。その路地がしばしば行き止まりになっているのは、アラブ支配の時代の名残なのだそうだ。
そんな町で道に迷いながら散歩をしたかった。

シャッカという変わった名前の由来は、アラブ支配時代の人名だとか、ラテン語の温泉から来ている、いやアラビア語の温泉の意味だとか、シリアの神様の名前だとか、諸説ふんぶんのようである。
ちなみに、この前日に訪れたマルサーラの語源は、アラビア語のマルス・アッラーで、「神の港」という意味だというのが定説のようである。

シャッカ旧市街

温泉が地名の由来だという説があるくらいで、この地には有名な温泉場がある。妻は興味津々だったようだが、イタリアの温泉に入るには医師の診断を受けなければならず、面倒くさいからやめようと必死に説得した。
で、ひたすら私は町歩きに没頭したのである。
で、歩いた結果はどうだったかというと、実に散歩に適した素敵な町だったといえる。

シャッカ旧市街

また、シャッカの町の目の前には大きな漁港があって、漁船が活発に行き交っている。
だから、魚料理のレストランも何軒かある。
だが、一番ウマいとされている漁港前のレストランに行ったところ、残念ながら休業日。
それでも、たまたま店にいたおじさん(オーナーかも)に、「この近くに、ほかにおいしい店はある?」と尋ねることで、そこそこウマい食事にありつくことができた。

パラッツォ ステリピント

と、ここまで読んで、今回の文章と写真が、これまでとはちょっと雰囲気が違うと感じた人がいるかもしれない。
まあ、そこまで読み込んでいるヒマな人がいるとは思えないのだが、今回はわれながらまったくまとまりのない内容だと自覚している。
そして、写真もよく見ると、シャッカの雰囲気がよく伝わってこないんだなあ。

港の夕景

実は、それには理由があるのであって、種明かしは次回のお楽しみに。
次回もシャッカです。

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  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
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