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2015-05-01

那覇:再開発が進む開南本通り

姿を変えようとしているのは、農連市場だけではなかった。
農連市場を含む開南地区全体が再開発の対象となっていたのである。

開南は、那覇中心部の南東側に位置しており、いかにも那覇の下町といった風情の町である。
どことなく、台北の下町や基隆にも似ているような気がする。
最近は、那覇に来るとこのあたりをぶらぶらするのがお決まりの散歩コースとなっていた。

開南バス停

とくに気に入っているのは、開南交差点から南に走る開南本通り。
狭い道には、ひっきりなしに大型のバスが行き来し、その両側には、戦後まもなく建てられたと思われる古めかしい木造商家や味わい深いビルが建ち並んでいる。
那覇は8年ぶりだったので、どうなっているかと心配していたが、農連市場から通りに出てみると、意外なほど変わっていなかったのでほっとした。

開南本通り

そう思ったのも束の間、家が取り壊されて更地になった場所を見ると、その更地の上に新しく歩道ができているではないか。
これが何を意味するのかというと、それまで建物があったところまで車道が拡幅されるということである。

開南本通り

まあ、建物の入れ替わりがあるのはしかたがない。
それで、町の雰囲気がすっかり変わるときもあるし、昔の面影を残す場合もある。
だが、道路が拡幅されて、町が再開発されてしまうと、もう昔を偲ぶよすががなくなってしまうことが多いのだ。

開南本通り

残念ではあるが、地元がそれを選択したのだからしかたがない。
たまにやってきて散歩するだけの旅行者があれこれ言う資格はないのである。

通りを歩いてよく見ると、古い建物が残っていたのは、もう農連市場の入口周辺だけ。
開南交差点の近くは更地になっており、農連市場よりも南側の通りは、道路の拡幅がだいぶ進んでいた。

開南本通り

「もうここに来るのも最後かな」などと思いながら、ひたすら写真を撮るしかなかった。
いや、ここにはあともう一回足を運ぶかもしれない。そのときは、昔と今との定点観測の対照写真を撮るときだろう。

じつは、安里や牧志あたりも再開発が急速に進んでいて、幸か不幸か対照写真のネタは尽きないのである。

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沖縄ぶらぶら歩き」カテゴリの記事

コメント

うまくまとめていただき、ありがとうございます。
著作権は主張しませんが、書籍で使用するときには、(c)を入れていただければ幸いです。
使用料は当面の間、無料です。

「日帰り分しか出せないって? チェ! 自腹の急場革命だ!」
という用法でよろしかったでしょうか。後日、つかわせていただきます。

ああ、記事のタイトルを間違えていました。
「開南大通り」ではなくて、「開南本通り」です。

カネがないときの、急場しのぎ革命です。

ありゃ、交通が便利になった反面、宿泊費が出ないなんてことが増えましたね。
もう、これは革命しかない!
エルネスト・チェ・ジバラの革命だ!

確かに、自腹作戦しかないですね。5月は仕事がらみの旅が多いのですが、7泊中6泊が自腹見込みです。

やはり、観光客として、最初の訪問では首里城、国際通りなどは外せないところでしょう。私も行きましたし。
ローマに行ったら、サンピエトロ、スペイン広場、トレビの泉に行くように。
それに飽きたらなくなると、トラステーベレに行くわけです。

最近、出張になると自腹で宿泊、連泊ということが多くなりました。

こういうところ行ってみたかったな、と思わせてくれる写真の数々。沖縄下町シリーズ、楽しく拝見させてもらってます。
去年の那覇出張では、首里城、国際通り、それと地元の人に連れられて、場所が不明な繁華街の一角に行っただけでした。用件を済ませたら、とっとと早く帰らないと旅費が出ない仕組みなんです。

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著書

  • 社会人に絶対必要な語彙力が身につく本[ペンネーム](だいわ文庫)
  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
  • 『日本懐かし駅舎大全』(辰巳出版)
  • 『鉄道黄金時代 1970s──ディスカバージャパン・メモリーズ』(日経BP社)
  • 『国鉄風景の30年―写真で比べる昭和と今』(技報堂出版)
  • 『全国フシギ乗り物ツアー』(山海堂)
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