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2015-05-22

今帰仁の仲宗根をぶらぶらした理由

3泊4日の沖縄旅行をさんざん引き延ばしてきたが、いよいよ最終日。
この日は、宿泊地の名護をスタートして、本部半島を一周することにした。
幸い、海岸沿いを一周するバスは、右まわりの65系統も左まわりの66系統も1時間に1本は出ている……と思ったが、よく考えると当日は土曜日。平日よりも本数が少なくなっていて難儀してしまった、という話はのちほど。

今帰仁・仲宗根

まず降りたのは、名護バスターミナルから30分ほど乗った今帰仁。
「なぜこれが『なきじん』って読むんだ!」と文句を言う人がいるが、それほど不思議ではない。

当初の地名がどうだったのかは知らないが、「今帰仁」と当てた字をそのまま読めば「いまきじん」だ。
語頭の「い」や「え」などの母音は、よく消えてしまう。とくに、ウチナーグチにはよくあること。
そして、「m」音と「n」音は発声のしかたや場所が近いため、よく入れ替わる。宮古と書いて「ミャーク」と読んだり「ナーク」と読んだりするのもその一例。
というわけで、「いまきじん」→「まきじん」→「なきじん」と変化したのだろう。

今帰仁・仲宗根

ウンチクはこのくらいにして、今帰仁村の謝名で下車したのち、ぶらぶらと仲宗根まで戻ってきた。

「へえ、小さな村を歩くのが好きなんだ? 明日は本部一周? だったら、仲宗根がいいかな」
前夜に行ったバーのマスターが教えたくれたからだ。

バーといっても気軽な雰囲気の店で、ガラス張りなので外から中の様子がわかるようなところ。
東京にはよくあるが、沖縄、しかも名護では珍しいのではないかと思う。

晩飯をとろうとして、最初はホテル近くの居酒屋に入ったのだが、店が賑わっているわりに内容はイマイチ。
生ビールを飲もうと思ったら発泡酒だし、本物の生オリオンビールは注文する人が少ないと見えてやや酸化していた。刺身も量は多いのだが、ちょっと……。
値段は非常に安く、店主は一生懸命働いているようなのだが、残念ながらそれ相応の内容であった。

こりゃあ飲み直しが必要だとぶらぶら歩いているうちに、「エビスビールあります」という看板にひかれて、ふらふらと入ったのがその店だったというわけである。

今帰仁・仲宗根

じつは、店の前を1回通りすぎていた。
そのときに店内を覗いたのだが、周囲の店が賑わっているのに、ここだけ客はゼロ。
しかも、カウンターの向こうには、いかつい顔をしたお兄さんというか親父さんが仁王立ちしていたのである。

それでも、「ええい、ままよ。乗りかかった船、いや、通りかかったバーだ」と、清水の舞台から、いや万座毛の崖から飛び降りる気分でドアを開けた私であった。

今帰仁・仲宗根

「えっ、生ビールが発泡酒だったって? そりゃあ、いくら安くてもオレも飲まないよ。名護でエビスの生を出しているのはウチだけなんだ」
誇らしげなマスター。いかつい顔ではあるが、笑うとかわいらしくも見えた。

そのあとは、年格好が近いこともあって、初めて会ったとは思えないほど、あれやこれやと話をした。
名護出身の彼は、大学時代に名古屋に行ったらしい。名古屋芸術大学だという。
「なんでまた?」
「高校の同級生がそこに行くっていうからさ。オレも島から離れてみようかと思って」
名護だから名古屋というシャレかと思ったら、事実はもっと不条理であった。もちろん、同級生というのは男である。
沖縄出身の2人はたいそう珍しがられ、私が聞いただけでも大笑いする体験をいろいろとしたようだが、それをいちいち書いていったら、ブログの記事が5回ぐらいできてしまう。

今帰仁・仲宗根

そんな彼にぶらぶら歩きを勧められたのが、ここ今帰仁の仲宗根地区である。確かに古い家並みが残っていて、初夏の日射しに映えていた。

そうそう、名護の店の名前は「クィッキーウィッキー」。開店して間もないようである。
なぜ、わざわざ店の名前まで紹介するかというと、私が滞在した1時間半ほど、ほかに客が1人も来なかったからである。
「変だなあ。こんなことは珍しいんだけど」
「大丈夫? 次に来るまで店を続けておいてよ」
マスターは「大丈夫、大丈夫」と言っていたが、心配なのでこれを読んだ方は名護に行ったら立ち寄ってほしい。
場所は、宮里1丁目23番。有名な「宮里そば」の近くである。
料理も手が込んでいて、うまい。なかでも塩味のもつ煮込みが絶品だった。
「吉田類の酒場放浪記をいつも妻と二人で正座して見ているんだけどさ、沖縄にはもつ煮込みがないっていうから、つくったんだ」とのことである。

今回は、今帰仁の町並みというよりも、名護の店の話になってしまった。
今帰仁の町の雰囲気は、写真を見ていただければ味わっていただけると思う。
それはともかく、私はあまりにも写真に夢中になっていて、大失敗をしてしまったのである……。

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コメント

名護にいらっしゃったら、ぜひどうぞ。
沖縄編大団円まであと何回かおつきあいください。

旅に人の気配が加わると、またいいですね。
バーの名前と住所、しっかり書き留めましたので😋

毎回、沖縄の家々の写真を見ていると
これまで気にも留めなかったのに、
何だか愛着がわいてきました。

ラッキーから導かれた駄菓子さんの
ブログのおかげですね。
もう少し、沖縄を楽しませていただきます。


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