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2015-04-17

秋田・阿仁合ぶらぶら散歩

また更新が滞ってしまったけれど、3月の東北旅行の続き。
青森から奥羽本線で県境を越えて鷹ノ巣へ。
この日の目的は、秋田内陸縦貫鉄道に乗ることであった。
国鉄時代は、北部が阿仁合線、南部が角館線で、第三セクターになってから全線が開通した路線である。
いずれも、まだ乗ったことがなく、今回が初乗車となった。

阿仁合駅

ただ乗っているだけではおもしろくないので、途中の阿仁合で下車することにした。
1時間待つと、角館行きの急行がやってくる。
阿仁合駅でまずやったことは、駅構内にある食堂「こぐま亭」で、馬肉シチュー+黄金ライスを食べること。
ここに来るまで知らなかったのだが、列車のなかに広告があったので試してみたら、実に美味であった。

阿仁合駅の「こぐま亭」

上の写真がそれである。
こんな小さな店ではあるが、阿仁合出身のシェフは都会の有名店で修業をして帰って来たのだそうだ。

阿仁合駅前

腹がいっぱいになったので、残る時間でぶらぶら散歩である。
駅前はあちこちに更地があって、やけにさっぱりしている。国鉄時代に来ていたら、ずいぶん楽しかっただろうにと後悔をする私であった。

阿仁銀山の街並み

駅周辺の地名は「阿仁銀山」。まさに、鉱山で栄えた阿仁合ならではの地名である。
もっとも、現在は鉱山の名残はほとんどなく、鉄道に並行して走る羽州街道沿いの商店街も、活気があまり見られない。
そんななかで見かけた不思議な家が上の写真。普通の民家の上に、帽子をかぶったような形をしている。
雪が積もったときに、これで大丈夫なのだろうか。なぜか、似たような家がほかにもあったところを見ると、これが流行だったのかもしれない。

阿仁銀山の街並み

もう少し、羽州街道を南下。じつは、阿仁合の中心である銀山地区は大火があったために、古い家は残っていない。
それでも、どことなく情緒ある不思議な家々を見ることができた。

阿仁川あたり

鉄道路線をへだてて、羽州街道とは反対側には阿仁川が流れている。
秋田内陸縦貫鉄道の北半分(旧・阿仁合線)は、この阿仁川に沿って走っているわけだ。
今では町外れとなっているこのあたりも、古い地図を見ると銅山の採掘所があったようで、ずいぶん賑わっていたことだろう。まさに、つわものどもが夢の跡である。

阿仁水無地区


こちらは、羽州街道の北側。銀山地区の外れから坂を登った水無地区から、銀山地区を見たところである。
1日に2本しか走っていないバスが、ちょうどやってきて、交差点を駅に向かって左折しているのが見える。

旧・宮越商店


そして、これが水無地区に残っている旧・宮越商店。かつての呉服屋であり、幕末には豪商として栄えたと書かれていた。現在でも人が住んでいるので、美しく保たれているのは喜ばしい限りである。
とくに、このガラスは写真でも波うっているのがわかるように、昔ながらの製法でつくられたものではないかと思う。割れてしまったら、はたして元通りに再現できるのかどうか。

阿仁合駅


というわけで、小一時間の阿仁合の町めぐりであった。
そうそう、駅前にある内陸縦貫線資料館は、鉄道ファン必見である。前身である阿仁合線、角館線の歴史はもちろん、沿線を走っていた森林鉄道や鉱山鉄道の写真や資料も満載。ぜひとも、本にまとめてほしいところである。

阿仁合からは、急行「もりよし」で角館へ。アテンダントの女性は、さきほど鷹巣から阿仁合まで同乗していた人であった。地元愛に満ちた丁寧な説明を聞いていると、ぜひ近々再訪してみたいものだと思ったのである。

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著書

  • 社会人に絶対必要な語彙力が身につく本[ペンネーム](だいわ文庫)
  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
  • 『日本懐かし駅舎大全』(辰巳出版)
  • 『鉄道黄金時代 1970s──ディスカバージャパン・メモリーズ』(日経BP社)
  • 『国鉄風景の30年―写真で比べる昭和と今』(技報堂出版)
  • 『全国フシギ乗り物ツアー』(山海堂)
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