見事な蔵造りの町並み: 宮城県村田町
2月2日の月曜日に、岩手県北上市で仕事があったので、せっかくだからと前日の日曜日から東北入りをすることにした。
同行の人たちは東京から日帰りなのだが、それじゃもったいない。
しかも、2日まではJR東日本の「大人の休日倶楽部パス」の有効期間に入っている。
交通費も安くなるわけで、仕事を依頼してくれた人にも偉そうにできるというわけだ。
宿泊地として決めたのは仙台。どうせ乗り放題の切符なのだから、青森か盛岡まで行きたかったのだが、翌日に雪で鉄道がストップしたら目もあてられない。というわけで、北上より東京側にある仙台に決めた。
せっかく1日まるまる空いているのだから、仙台市内から少し足を伸ばしてみようと思って選んだのが、20kmほど南東にある宮城県柴田郡の村田町。
蔵造りの町並みがあるというので、仙台駅前から約1時間おきに出ている高速バスに乗った。
バスは東北自動車道経由で約30分ほど。村田町役場のバス停で下車すると、広い県道に並行して、1本入ったところに蔵の町並みがあった。
まったく知らなかったのだが、この町並みは、昨年秋に宮城県初の「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されたのだそうだ。だが、真冬のためなのか、日曜日なのに観光客の姿は見えない。
日陰の凍りついた道を慎重に歩きながら、なまこ壁を配した見事な蔵づくりの商家の数々を写真に収めた。
トップの写真は、乾坤一(けんこんいち)で知られている(らしい)、造り酒屋「田島屋酒店」の建物である。
東北地方には、現在の東北本線にほぼ並行する奥州街道と、奥羽本線にほぼ並行する羽州街道という2本の大きな街道があるのだが、この村田町はその2本を結ぶ街道沿いに発達し、交通の要衝として栄えたのである。完全な受け売りだけど。
ところが、明治以降の村田町は鉄道の線路から外れてしまったために、よくも悪くも昔の姿を残したまま、いままで残ったというわけである。
でも、あと20年くらい前に来ていれば、さらに町並みも見事だったんだろうなあ。
今では、あちこちに櫛の歯が抜けたように更地が残っているのが痛々しい。
商店街だったようなのだが、ほとんど歩いている人を見かけなかったのも寂しいところである。
とはいえ、蔵造り以外の商店にも、町歩き好きの人間には興味深い建物が並んでいて楽しかった。
中心部のメインストリートは1km弱なのだが、そのうち蔵づくりが集中しているのは500mほどか。
私が勝手に名付けた、この「村田シャンゼリゼ」を1往復半ほどぶらぶらして、町並みめぐりは終えることにした。
近所に有名なお寺もあるらしいのだが、風が冷たくて体がすっかり冷えてしまった。
しかも、歩道がない道の端は凍結しているうえに、車が次々にやってくるのだから、のんきに写真なんぞを撮っているつもりでも、ときに身の危険を感じる。
本来だと、町並みを探訪するときは、必ず喫茶店か食堂か資料館に入って、地元でカネを使うことを旨としているのだが、開いている店もほとんどなく、次の帰りのバスの時刻が迫っていたので、申し訳ないけれど、写真だけ撮って仙台に戻ることにした。
その代わりといってはなんだが、こうしてブログで取り上げて、多少なりとも宣伝をしたつもりでいる。
ところで、町への交通は、仙台からの高速バスのほか、東北本線大河原駅と結ぶバスの便もある。
本当はこれに乗って帰りたかったのだが、日曜日は本数が少ないので断念した。
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