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2014-12-09

アオスタ: フェニスの古城と不思議なフランス語表記

また、間が空いてしまったけれど、イタリア旅行の続き。
でも今回は、前の記事でバールの城砦を紹介したついでに、2012年に訪ねたフェニス(Fènis)の城の話。
フェニスはアオスタから東へ10km強の距離にあり、アオスタとバールの中間くらいに位置している。

ここには14~15世紀ごろに原型ができたという城がある。
古い城の原型を保っているために、観光客にも人気が高い。

フェニスの城

アオスタとトリノを結ぶ鉄道からは少し外れているが、アオスタのバスターミナルからは直通のバスが走っている。
ここは、とくに地理的にも近いフランスからの観光客が多く、私が訪ねた2012年6月には、フランス人の団体客と遭遇した。

フェニスの城

写真でもわかるように、まるでおとぎの国にでも来たような外観が楽しい。
フェニスの村自体は、新しい家が建ち並んでいるだけの、なんの変哲もないところだが、そのなかにあって、ここだけが異次元の空間のように見える。

フェニスの城

残念ながら城の内部は撮影禁止だったのだが、予想に反して質素なものだった。
きらびやかなお城のイメージはまったくなく、どの部屋も素朴な感じで、ヨーロッパの田舎の庄屋さんの家という印象であった。
もっとも、昔はもう少し意匠を凝らした家具や絵画などが置かれていたのかもしれないが。
城のいわれについて、そのときにいろいろ学んだのだが、2年もたったら忘れてしまった……。

フェニスの教会

城は小さいので30分もあれば十分に回れる。
あとは、ぶらぶらと村のなかを散歩。すると、こんな教会があった。外面に壁画が大胆に描かれている。

フェニスで見た看板

そして、なによりも印象に残ったのがこれ。
村の施設を記した看板なのだが、この地方では当然のようにイタリア語とフランス語が併記されている。
ところが、なかにはどう見てもフランス語とは思えないものが交じっている。
下から3つ目、「area attrezzata」というイタリア語はあまり見たことがなかったが、「テラスのある区域」ということで、キャンプ場のことなのか。
それに対して、「tsantè de bouva」とは、全然フランス語っぽくない。

フェニスからヌスへ

いくら時間をつぶしても、次の帰りのバスまでには1時間以上あるので、鉄道駅のあるヌス(Nus)の町まで歩くことにした。
直線距離で1kmあまりだと思って、「軽いぜ」と思っていたら、遠回りの道しかなく、結局2km以上を歩くことに。
しかも、真夏の日差しが真上から照りつける時間帯だったので、かなり体力を消耗してしまった。

Nusは、イタリア語風に「ヌス」と発音するのも聞いたし、フランス語風に「ニュ」と発音するのも聞いた。
どちらにしても、地名にしては短すぎるので、文章のなかで埋もれてしまって聞き取りにくそうである。

駅は、前回のバールと同じく普通列車も半数以上が通過。
結局、いい列車がなく、30分おきに国道を走るバスに乗ってアオスタに帰って来た。

ヌスの町のなか

最後の写真は、ヌスの町で見かけた街路の標識である。
少なくとも、イタリア語でも標準フランス語でもなさそう。
アオスタのフランス語は、南フランスのオック語系(プロバンス語系)のものだと聞いたが、それなのだろうか。
語頭に「L」が重なるのは、バルセロナ近辺のカタルーニャ語やイギリスのウェールズ語で見たことはあったが、ここにもあるとは知らなかった。「Hopeutaill」は病院なのだろうか。
こんな発見もあるから、ぶらぶら旅は楽しい。

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イタリアの旅 北から南まで」カテゴリの記事

コメント

同感です。
最近ではボイスレコーダーが小型高性能化してきたので、ぜひ現地でおばさま、おじさまたちの古い言葉を録音してきたいものです。

城に適した高台なら、近くにたくさんあるだろうに・・・、と思ってしまいました。登山をしなくても見学できそうで、大変結構なのですが。

楽しい看板やら標識がたくさんありそうですが、日常会話の中で、「Llaou de Hopeutaill」のような言語が、どの程度つかわれているのか気になるところです。スイスのとある村で、宿の主人から「ロマンシュ語は学校で習っただけ。レストランメニューにはロマンシュ語も書いてあるけれど、会話はできない」と聞かされたことがあります。
この種の超ローカルな少数派言語は、何となく中世の香りが漂っていている気がして、一度はがっつりと、会話を直に聞いてみたいものだと思っています。

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