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2014-11-13

アオスタで見た不思議なものいろいろ

アオスタ市内の歴史的な観光地というと、ローマ遺跡やアウグストゥス門が有名だが、サントルソ(聖オルソ)教会とその修道院は必見である。
とくに修道院は、建物や回廊のデザインが特徴あって目を引く。

サントルソ修道院の正面

狭い路地の奥にあって、知らないでいると見逃してしまいそうな場所にある。
そんなひそやかな場所に、こんな手の込んだ建物が建っているのだ。
そして、下のほうはこんな感じ。

サントルソ修道院の正面

専門的にはなんというのは知らないが、アーチの下のもたっとした大根足のような装飾がかわいい。
ガイドブックでは12世紀に建てられたのだそうだ。

そして、修道院の回廊に入ってみたかったのだが、今回は時間が合わずに残念。
2年前に訪れたときの写真を貼っておこう。

サントルソ修道院の回廊

回廊は15世紀のものらしい。
こうした修道院の回廊は、イタリアのどこに行っても見られるが、ここのものは、おそらく天井が低くてアーチの間隔が狭いためか、薄暗いのが古さを感じさせる。

そして柱にあったこの彫刻が素晴らしい。

サントルソ修道院の回廊

土俗感あふれる表情と肢体がいきいきとしていて最高! アフリカの遺跡から発掘されたと言われたら信じてしまいそうだ。
思わず、「キリスト教伝来前の文化が色濃く残っていて……うんぬん」とウンチクを語りたくなる。

さて、固い話になったので、ここで気分転換。
アオスタ駅構内のバールで飲んだモレッティのレモンビールである。

モレッティのレモンビール

「レモンビールはほかのメーカーからも出ているけれど、モレッティのほうがうまいよ」と、カウンターの隣にいたおじさんが説明してくれた。
イタリアでは、こういうお節介な親爺さんがいるから楽しい。そういえば、アルバの白トリュフのときもそうだったっけ。
レモンビールのウンチクも東京で披露することができました。

それにしても、今回は25日もイタリアにいながら、結局モレッティのレモンビールを見たのはこのときだけ。
これを見つけた妻の目ざとさには感心せざるをえない。
そうそう、味は……さわやかで、微妙な甘みと苦みが交じっていて、非常にうまかった!

サンマルタン-サヨナラ バス停

最後の写真は、次の停留所に注目。
「Via St. Martin Sayonara」とある。
「サンマルタン通りサヨナラ」
車内放送を聞いていたら、突然日本語らしき単語が出てきて、びっくりして電光掲示板を見て、あわててカメラを取り出してかろうじて撮影に成功!

バスはサンマルタン通りをずっと走っていたので、「サンマルタン通り○○」という名前の停留所が続いていた。
そして、その途中に出てきたのがこれである。
「サヨナラ」はどうやら交差点の名前らしいのだが、何に由来しているのかまだわからない。
かつては、この近くに「ホテル・サヨナラ」というのがあったらしいことまではわかったが……。

ちなみに、「ホテル・サヨナラ」はイタリアのほかの町にも現存するようだ。
なかには、「ホテル・ニューサヨナラ」があって笑ってしまった。
日本に例えてみれば、「ペンション・チャオ」「お宿、アリベデルチ」というイメージかな。

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コメント

修道院の正面に建つ教会は、どうということのない外観なんですが、この修道院は異彩を放っていました。
そうそう、検索してみたらイゼルニアにありました。
知っていれば、一昨年行ったときに写真だけでも撮ってきたのに。

昔、ピストイアで「Albergo Giappone」というのを見て写真を撮ったことがありました。今調べたら、フィレンツェに「Hotel Giappone」がありますね。
由来を知りたいところです。
「Hotel Nuovo Giappone」はやめたほうがいいですね。
すぐに火事になってしまいそうな連想が。

まさに不思議なものがいろいろ。おもしろいですね。
修道院の外壁は、見慣れたイタリアの建築物とは違って、何となく東方面の味付けがあるような。
ホテル・サヨナラといえば、確かイゼルニアのホテルが雑誌の記事でも紹介されていた記憶があります。あちこちにあるんですね、ホテル・サヨナラ。
チェックイン時に、まずは「サヨナラ」と挨拶してウケを狙ってみたくなります。

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