三陸縦断の旅14・終: 八戸臨海鉄道
ようやく三陸縦断の旅の最終回。
ながながと引き延ばしているうちに、三陸鉄道は南リアス線・北リアス線とも全線開通して、めでたい限りである。
願わくは、釜石と宮古を結ぶJR山田線も早期に復旧して、久慈から盛までつないでほしいものだ。
JR東日本によれば、この区間の復旧時には、三陸鉄道への編入をするとのこと。まだまだ時間がかかりそうだが、復興を遂げつつある山田町を走る列車を見たいものである。
さて、八戸市の東にある湊町をぶらついたあとは、陸奥湊駅から日中1時間に1本のJR八戸線に乗り、八戸の市街地を通り抜け、八戸駅の1つ手前にある長苗代(ながなわしろ)駅にやってきた。
なぜ、こんな田んぼのなかの駅で降りたのかというと、酔狂にも八戸臨港鉄道の貨物列車を撮影するためである。
八戸港に近い北浜貨物駅と八戸貨物駅を結ぶ第3セクターの貨物鉄道で、1日5往復の列車が設定されている。
ちょうど帰りの新幹線に間に合う時間に走っているのがあったので、ここで降りて待ち構えたというわけだ。
そうして撮ったのが上の写真。天気が悪かったので、まあこんな出来である。
ヘッドマークには、「おかげさまで 八戸臨海鉄道40周年」と書かれていた。
撮影したのは、長苗代駅から1km以上八戸駅寄りの地点。駅に戻っても、次の列車にはかなり間があったので、八戸駅まで2kmほどを歩いてしまおうと思い立った。
地図によれば、途中で大きな道路があるので、運がよければバスに乗れるだろうという、例によっていい加減なもくろみである。
ところが、広い道に達する直前、目の前をバスが通りすぎていったのである!
「がーん。いや、駅に近いことだし、別路線のバスが走っているかもしれないぞ」
気を取り直して、近くに見つけたバス停にたどりついたのだが、そんなうまい話はなく、やっぱり1時間に1本ほどしか走っていない。
やむなく、さらに1km以上を駅まで歩いて行くことにした。
「せっかくだから、線路に沿って歩こう。途中に八戸貨物駅があるようだし」
小雨がぱらつくなか、舗装されていないぬかるんだ道を歩くこと数分。さっきのディーゼル機関車が、貨車の入換をする場面を見ることができた。
こちら側のヘッドマークは、「がんばろう!! 八戸」である。
まあ、こんなわけで、それなりの満足感にひたりつつ、八戸駅近くまでやってきたときである。
道の左側に、古風な家を見つけた。
「どこかの旧家か、それとも資料館なんだろうか」
そう思いながら、近づいてビックリ!
なんと、この建物が八戸臨海鉄道の本社であった。
鉄道本社なんていうと、たとえ古くてもビルに入っているものだと思っていたから、ちょっとしたカルチャーショックである。すでにバッグにしまってあったカメラを再び取り出して、パチリと撮ったのが上の写真である。
そして、これが八戸駅前。八戸駅の大きな建造物に対して、周辺の建物は、何軒かのホテルを除けばこうしたごく普通の商家や民家が並んでいた。
ところで、八戸から上野まで、「はやぶさ」でなんと2時間42分。これには改めて驚いた。
学生時代、急行「八甲田」やら「十和田」を使って何度も通った道だが、八戸あたりといったら上野から夜行列車に乗って、もう昼近くだったように記憶している。
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