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2014年3月の2件の記事

2014-03-21

三陸縦断の旅13: 八戸市湊町

1泊2日の旅を長々と引きずってきたが、大団円までもう一息。
小中野から橋を渡ってやってきたのが湊町。
八戸港を控えた、文字通り港町である。

陸中湊駅前

上の写真はJR八戸線の陸中湊駅前。ローカル線の駅というと、町の中心から外れていることも少なくないが、ここ陸中湊駅は、まさに町のまん真ん中。
駅前には市場や店が立ち並び、魚のにおいが立ち込めている。
もっと朝早く起きてやってきていたら、さぞ活気のある光景を目にできただろう。

湊町店頭風景

すでに閉まっている店も多かったが、店頭にはこうした魚が所狭しと並べられていた。
手前左はホッケか。右はヒラメかな。その奥にはカニが見える。

湊町店頭風景

こんなふうに、干物をつくっている店もあった。
新鮮で値段も安いので、山ほど買っていきたいのは山々だが、そんなにいっぺんに食べないし、持って帰るのも大変だ。
魚の購入は断念し、小さな食堂で山盛りの海鮮丼を食べて気分を高揚させるのであった。

八戸湊町


そういえば、前夜の店「とまい村」で聞いた話では、震災で八戸港も被害を受けたのだが、かなりスピーディに復旧したとのこと。
津波の被害が岩手、宮城、福島ほどではなかったというのも理由だろうが、それだけ八戸港が貿易港としても漁港としても重要な位置を占めているということだろう。
政治力の影響かなとも一瞬思ったが、たぶんそうじゃないと思う。

八戸湊町


港町の風情を楽しんで、今回の町歩きは終了なのだが、まだ東京に帰る新幹線までには時間がある。
陸奥湊駅から八戸線に乗って、最後の目的地に向かうことにした。

2014-03-15

三陸縦断の旅12: 八戸市小中野

まだ続いている去年の三陸縦断の旅。
今回は八戸市の東側の様子である。
このあたりには、八戸港の繁栄の歴史を刻む古い町並みが残されているということで、市の中心部から路線バスでやってきた。

八戸最古の洋風木造建築

小中野という停留所でバスを降りると、すぐ正面にあったのがこの建物。
脇にあった看板によると、大正7、8年ごろに建てられた八戸最古の洋風木造建築とのこと。当初は八戸商業銀行小中野支店として使用され、のちにカフェ「ハトバ」となり、その後は事務所として使われていたらしい。

八戸最古の洋風木造建築

かつてこの界隈はさぞかし賑わったのだろう。
屋根の丸いドームを見て、当時の人は大正モダンの到来を実感にしたに違いない。

自転車屋

残念ながら、今の小中野は、あちこちに空き地ができて、静かな町となっている。
そんななかに、ぽつんと残っていた安藤自転車店。もう営業はしていないようだが、看板が懐かしい感じ。
板壁の商家ではあるが、正面は横長の板を使っているところが洋風である。
そして、なんといっても中央の丸い窓がおしゃれ。

小中野

バスに乗ってぼんやりしているとそのまま通り過ごしてしまいそうだが、じっくりみると味わい深い小中野の町であった。
さて、ここから歩いてさらに東に向かう。橋を渡ると八戸港で栄えた湊町である。

新井田川


新井田川を渡る橋からは、なかなか活気ある町の雰囲気が味わえる。
右岸には八戸酒造の建物が見えた。
「男山」という銘柄はあちこちにあって北海道が有名なのだが、ここ八戸にもあることを知った。

八戸酒造


どうせあてもない散歩なので、ふらふらと酒造所の前へ。
朝っぱらなので酒を飲みたいとは思わないのだが、酒造所の前に下げられた杉玉(酒林)を見ただけで心地よくなった私であった。

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著書

  • 社会人に絶対必要な語彙力が身につく本[ペンネーム](だいわ文庫)
  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
  • 『日本懐かし駅舎大全』(辰巳出版)
  • 『鉄道黄金時代 1970s──ディスカバージャパン・メモリーズ』(日経BP社)
  • 『国鉄風景の30年―写真で比べる昭和と今』(技報堂出版)
  • 『全国フシギ乗り物ツアー』(山海堂)
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