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2013-12-20

三陸縦断の旅6: 盛から南リアス線で吉浜へ

陸前高田を15時2分に出たBRT(バス高速輸送システム)は、約40分で終点の盛(さかり)に到着。
途中から線路敷を走っていたバスは、そのまま盛駅の大船渡線ホームに入る。
当然のことながら、駅構内の線路もアスファルトで埋められていた。
バスの駐車場は、ちょうど駅構内の跨線橋の陰に隠れてしまったが、そのときには3台のバスが停まっていた。

盛駅の大船渡線ホーム

三陸鉄道南リアス線の発車まで40分あったので、駅付近を一周してきた。
次は、上の写真と同じ跨線橋(自由通路)の上から撮った三陸鉄道の車両基地。
右奥にちらりと見えるピンク色の車両が、大津波の際にトンネル内で停車して難を逃れた「奇跡の車両」こと36-105号である。

三陸鉄道・盛車両基地

盛駅の裏口に出ると、懐かしい岩手開発鉄道の盛駅ホームが残っていた。
1992年に旅客営業を廃止する直前に訪れたっけ。現在は石灰石輸送の貨物専用鉄道となっている。
貨物列車でも通りかからないかなと思いつつ、踏切を表口側に渡ったとたんに、踏切の警報機が鳴り出した。
比較的ひんぱんに運行しているとはいえ時刻表もなく、しかも走行写真撮影にはぎりぎりの夕暮のなか、運よく撮影することができた。

岩手開発鉄道

ぶらぶらしていたら、発車間際になってしまい、最後は早足で駅に戻るのはいつものことである。
盛駅の写真の右側がJRの駅舎、左側は三陸鉄道の駅舎である。

盛駅

やってきたのは、新しい36-700形の車両。震災復興援助としてクウェート政府から寄贈された3両のうちの1両である。車体には、アラビア語、英語、日本語で感謝のことばが記されていた。
昔習ったアラビア語の乏しい知識によれば、ナカッダラ(私たちは感謝します) カシーラン(大変) ダアマン(支援に) ダウラ(国) ル・クワイト(クウェート<冠詞付き>)という感じかな。「感謝する」という意味に動詞「カダラ」の2形「カッダラ」を使うとは知らなかった。

クウェートへの感謝の言葉


南リアス線は盛~吉浜の21.6kmが今年4月に運転再開され、1日7往復が運転されている。吉浜~釜石は岩手県交通のバスが1日4往復、振替運転をしている。。
吉浜到着は16時47分。あたりはすでに真っ暗となっていた。
結局、盛駅で乗ったのは3人。途中の綾里で数人乗ってきたが、途中で全員降りてしまって、終点の吉浜で降りたのは私一人だった。

吉浜駅


釜石までのバスが来るまでには1時間もある。とはいえ散歩するにも周囲は真っ暗。
大船渡市の出張所・集会所を兼ねた駅舎で、壁に張られた震災から現在までの写真をぼんやりと見ていたら、三陸鉄道の運転士さんがやってきて、カラー印刷された記念の乗車証明書というものをくれた。

釜石までは海岸沿いの真っ暗な道を、50分かけて旧型のバスが走り抜けた。

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  • 社会人に絶対必要な語彙力が身につく本[ペンネーム](だいわ文庫)
  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
  • 『日本懐かし駅舎大全』(辰巳出版)
  • 『鉄道黄金時代 1970s──ディスカバージャパン・メモリーズ』(日経BP社)
  • 『国鉄風景の30年―写真で比べる昭和と今』(技報堂出版)
  • 『全国フシギ乗り物ツアー』(山海堂)
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