三陸縦断の旅1: 陸中松川で途中下車
12月の第一週は2泊3日で三陸海岸を南から北へと縦断した。大人の休日倶楽部パスの利用である。
東北新幹線を一ノ関で降り、大船渡線で気仙沼に向かう途中、陸中松川で下車した。
ここは、かつてセメント輸送の拠点として貨物専用線が三菱マテリアルの工場まで伸びていたり、さらに以前は松川石灰という会社のナローゲージ専用線がのろのろと走っていたりしたところである。
次の列車までの1時間、その名残を求めつつ、今泉街道に面した古い家並みをめでようという予定であった。
ところが、新幹線内で終わるはずだった急ぎの仕事に追われ、最初の30分以上を小さな駅舎に釘付けになってしまった。
しかたがないので、残った時間で駅の付近をぶらぶら。
ここは今泉街道から外れた場所で、駅前といっても民家がぽつりぽつりと続くだけで、店もなにもないところである。
そんな道を進んでいくと、突然目の前に不思議なものが現れた。
ひと気のない道を歩いていて、道の脇にこんなものが見えたら、誰だってビクッとするに違いない。
現地に行くまで知らなかったのだが、ここは亡くなる少し前まで宮沢賢治が技師として勤務していた石灰工場なのだとか。それを記念して工場の跡に「石と賢治のミュージアム」という建物がつくられた。
この人形とトロッコはその屋外展示の一つだったのだ。
後列右から4番目が宮沢賢治だそうである。
これとは別に、大船渡線の線路沿いには手押しトロッコとレールが保存されていた。
博物館を見たいとも思ったが、すでに次の列車まで20分。
最近はめっきり少なくなった後ろ髪を引かれる思いで、駅にそのまま戻ることにした。
訂正。めっきり少なくなったのは後ろ髪ではなくて前髪でした。
これが陸中松川駅。
駅前がやけに広々としてさっぱりしている。
駅舎は正面右の小さいほう。左の堂々とした建築物は公衆便所である。
こんなひっそりした駅に、今どきのきれいなトイレが備えられているのには感心した。
まもなくやってきた気仙沼行きに乗り込んだのは、私一人だった。
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