「道楽者の部屋」別館

先週は仕事で北陸へ。そのついでに、金沢と富山をぶらぶらしてきた。
富山駅前でいつも気になるのが、この「シネマ食堂街」。富山駅付近はすっかり町並みが新しくなったが、不思議なことにこの一角だけは昔のままである。

これは、富山駅側の入口。ここだけを見ると、そのネーミング以外は、とくに目をひくものはない。
だが、ここを一歩入ると、ディープな世界が広がっているのである。

ここは入口に近いから、まだまだ序の口。
さらに進んでいこう。

突き当たりには、こんな祠が見えてくる。
初めてここに足を踏み入れた人は、ちょっと前に進むのを躊躇するかも。
じつは、この左側にかつては映画館があった。そこで、「シネマ食堂街」というわけだ。

突き当たりを右に曲がると、ようやく食堂街……というより飲み屋街になる。
写真にすると、ずいぶん小ぎれいに見えるが、昼でもかなり薄暗い。

さらに進むと、かなりディープな雰囲気となってくる。
途中で道が二股に分かれていたり、変なところに便所があったり、ネコが居ついていたりと、狭い場所だが見どころは満載。ここをさらに抜けると、反対側の出口になる。

さて、ここでせっかくだから新旧対照写真をお目にかけよう。
映画館があったときと現在の写真である。
まずは現在から。

さっきの祠のところである。「シネマ食堂街」という看板はあるが、ちょっと寂しい感じ。
では、8年前の2005年に来たときの写真がこれ。

正面が切符売り場になっていることがわかる。今まさに切符を買っている人がいる。
「いつ見ても楽しめる」というキャッチコピーがストレートでいい。
そして、どんな映画を上映していたのかというと……。

ま、こういう映画でした。
昭和の香り満載の「シネマ食堂街」である。
十数年前に初めて目にしたときから、「次に来るときまでにはなくなっているだろう」と思っていたのだが、今も健在なのはうれしい。