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2013-08-03

「赤羽」のイメージをくつがえす赤羽西の趣深い台地

さらに、初夏の思い出編の続き。
iPhone/iPadアプリ「TimeTours」用の写真を撮りに行ったついでにぶらぶらした赤羽駅の西側一帯である。
赤羽というと、安い飲み屋が林立して、人でごったがえしているイメージがあるかもしれないが、それは駅の東側である。
赤羽駅の西側、台地の上にある赤羽西あたりは、静かで味わい深い住宅街が続いているのだ。

赤羽西

駅を降りて西側に歩くと、まもなく急な坂や階段があって、飛鳥山あたりから続く台地の上に出ることになる。台地に登るコースはいくらでもあるのだが、個人的なおすすめは、拡幅工事が進んでいる岩槻街道を100mほど南下して右に曲がったところにある稲付城跡の階段を登るルートである。

ここは現在、静勝寺というお寺になっており、昼間は境内を通り抜けることができる。そこが、赤羽西に広がる迷宮(というほど大げさではないが)の入口である。

赤羽西

この一帯は、私の散歩道の空白地帯で、最近になるまであまり歩いたことがなかったのだが、非常に気に入った。
第一に、丘の上だからほどよく起伏があること。第二に、やはり丘の上だから道路がくねくねと曲がりくねっていること。そして第三に、昔ながらの商店や民家が、上品な感じでところどころに残っていることである。

赤羽西

ここは、一般の人が抱く赤羽というイメージからはかけはなれた、落ち着いた町なのだ。なにしろ、高級住宅街さえあるのだから。
もちろん、私個人としては、ごちごちゃした赤羽駅の東一帯も捨てがたいが、この西側もまたいい。

赤羽西

個人的に、一度来た道を戻るのは苦手なので、たいていは十条まで南下するか、ずっと西に向かって都営地下鉄三田線の本蓮沼に出るかというコースをとることにしている。
本蓮沼方面へはバスも頻繁に通っているから、疲れたときはバス通りまで降りればいい。

十条に向かっていくと、やがて台地の縁に出るのだが、そこからの眺めはまた格別である。

赤羽西

また、台地の縁近くには、こんなひそやかなお宅もあったりして、実に趣深い。
そして、赤羽西の台地南西端にあるのが、稲付自然公園。こんもりとした林に囲まれ、広い敷地には、もったいないくらいに何もない公園である。
──こんなところに家でもあれば、落ち着いて原稿でも書けるだろうなあ。

そう思っていたら、かつてここには講談社の創立者である野間清治氏の別邸があったのだとか。
こんな場所に別邸でも持ちたいものである。

稲付公園から見た「はやぶさ」

公園の東側は崖になって開けており、見晴らしはなかなかのものである。
はるかかなた、東北新幹線の高架橋を、はやぶさが通過していった。

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コメント

都民さん、はじめまして。
そんな計画があるんですね。知りませんでした。
西口の北側はかなり前に新しくなってしまい、南側もこれを機会に様変わりしそうですね。
南側から西口に来る岩槻街道も拡幅工事が最終段階でしょうか。
沿道の古い商店街が懐かしく思い出されます。

赤羽駅周辺は今後再開発されると思いますよ。今現在、都市計画道路補助86号線の計画が実行されていますね。幅は20m 狭かった道路が広い道路になりますね。

凄い静かな高級住宅街ですね。赤羽へのイメージ変わりました。北区ってだけで変なイメージを持ってはいけません。

コメントありがとうございます!
私の家が駒込なので、御成道つながりですね。
この春には赤羽西を何度か散歩しました。狭い道をバスが走っているのも感動的です。
ようやく涼しくなってきたので、書き込みを参考にして、またぶらぶら歩きしてみたいと思います。

はじめまして。
一番上の写真は静勝寺の南門から出た所ですね。
私の家は寺を中心にして真反対のイトーヨーカドーの裏手にあり、静勝寺の植物達、特に大きい銀杏の木がウチから見えていて、枯葉が風に舞って庭に落ちてきたりして幻想的ですよ。
上から2番目の写真の道を突き当り左へ行った所にある真正寺坂のある辺りも普門院の森が奥にあってなかなか雰囲気いいですよ。
そして下から2番目の写真のすぐ近くにウチが持ってるアパートが存在していますが、ここまで近いようでかなりの距離がありますかね。
もうちょっと行くと清水坂公園があります。(埼京線から見えてる公園です)
岩槻街道=日光御成り道と呼ばれていたくらいで、将軍様の日光参拝の通り道だったからなのか、この辺りは神社・仏閣が多いんですよね。

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著書

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  • 社会人に絶対必要な語彙力が身につく本[ペンネーム](だいわ文庫)
  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
  • 『日本懐かし駅舎大全』(辰巳出版)
  • 『鉄道黄金時代 1970s──ディスカバージャパン・メモリーズ』(日経BP社)
  • 『国鉄風景の30年―写真で比べる昭和と今』(技報堂出版)
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