雪残る雑司が谷界隈(1) 弦巻通り
以前は、雪が降ったというと、カメラを手に持ってそそくさと家を飛び出したものだったが、最近は寒さに勝てずに家に籠もったきりなることが多い。
おとといの大雪のときもそうだった。
だが、きょうは飯田橋で打ち合わせをすることになっていたため、ついでに写真でも撮る機会があるかなと、バッグにカメラをしのばせて出かけたのであった。
で、どこに行ったかというと、雑司ケ谷(ぞうしがや)である。十数年ほど前に、一時的に住んでいた町で、今でも愛着がある。山手線の内側にあって、幸いにも戦災で焼け残り、昔の面影をよく残している地域だ。
ちなみに、町名と地下鉄の駅名は雑司”が”谷だが、都電の電停名は昔のまま雑司”ヶ”谷となっている。
とくに気に入っているのが、不忍通り、目白通り、都電、雑司が谷霊園にはさまれた雑司ヶ谷一丁目から二丁目にかけてである。
まずは、その中心を東西に貫く弦巻(つるまき)通りをぶらぶら。
かつての弦巻川を暗渠にした道とのことで、そのくねり具合が絶妙である。
雑司ヶ谷に住んでいたころは、この商店街で買い物をしたこともあったが、今ではすっかり商店の数も少なくなってしまった。
この写真の店「肉の大久保」は、路地が鋭角に切れ込んでいるところが目を引く。
路地の両側にある建物も、かなりの年代ものだろう。
それにしても、斜陽とはよく言ったもので、夕暮の光がよく似合う。
そして、降ったばかりの新雪ではなくて、少し薄汚れた雪が電柱にへばりついているように見えるのも、また似合う。
あっという間に商店街を抜け、そのまま進めば都電の線路に出るのだが、それではおもしろくない。
シャーベットのようになった雪を踏み分けて、ひそやかな路地に入っていくことにした。
(つづく)
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