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2012年11月の3件の記事

2012-11-24

世にも奇妙な名鉄西枇杷島駅

下りの新幹線で名古屋を出るとまもなく、車窓の右側に不思議な鉄道施設が見えてくる。
以前から気になっていたのだが、今年の夏、妻の実家である名古屋に向かったついでに立ち寄ってきた。

昼は、親族打ち揃って素敵な和食の店へ。夕食までのしばらくの間、車で家に戻る人びとを見送って、一人で名古屋散歩……いや今回は名鉄乗り歩きに向かったのであった。
「あの婿殿は一人でぶらぶらさせておくのがよい」と理解されていることは喜ばしい限りである。

東海道線の車内から見た西枇杷島駅

さて、まず向かったのは新幹線の車窓から見えていた「不思議なもの」、名鉄名古屋本線の西枇杷島駅である。
上の写真は東海道本線の車内から撮ったもので、新幹線からだともう少し遠くなる。
ホームは極限まで狭く、しかも屋根がない。見るからに奇妙な駅である。

西枇杷島駅

駅の付近は住宅地となっており、西側の東海道新幹線・本線の高架線、東側の国道67号線の高架橋にはさまれて、ここだけが時間のとまったような妙な落ち着きを感じる。

西枇杷島駅

駅に着いて時刻表を見て驚いた。
名古屋本線上にあるから、特急や急行がひっきりなしに通過していくのだが、この駅に停車する列車は、上り下りとも30分に1本しかないのである。

西枇杷島駅

列車の到着時間が近づくまで、乗客は駅舎内に待機。そして、駅員の指示があってはじめて、構内踏切を渡ってホームに向かう。
ま、そりゃあそうだろう。あんな狭いホームに立っていて、猛スピードで特急が通過していったら、命がいくつあっても足りない。

西枇杷島駅

この写真は、駅の西側から見たところ。こうして改めて見ると、限りなくホームが狭いことがわかる。
このホームの奥が名古屋方面、手前が岐阜、弥富方面である。東海道線と直角に交差しているので、JRを基準に考えていると、どっちが名古屋行きなのか迷ってしまう。

西枇杷島駅

しばらく西枇杷島駅の撮影を楽しんだのち、いよいよ乗車することにした。
まだ夕刻までには時間があったので、名古屋駅に戻らずに反対方面へ。
どこまで乗るというあてもなく、ホームに立った私である。
ちょうど先客がいたので、ホームの狭さを実感していただくために1枚撮影したのが、上の写真。
奥に見えるのが東海道本線・新幹線の高架橋である。

西枇杷島駅

やってきたのは津島線の佐屋行き。
安全のために黄色い線の内側に下がりすぎると、反対側の線路に落ちてしまうことがよくわかる。
あまりに安全を意識しすぎると、かえってリスクを負ってしまうという、教訓的な光景である。

2012-11-21

惜別! 小田急下北沢駅

イタリア話はちょっと休憩して、今回は小田急電鉄の下北沢駅である。
現在、東北沢~世田谷代田の区間の複々線化工事が進んでおり、それが完成すると、下北沢駅は地下駅となる。
2004年にはじまった工事は、小田急のホームページを見ても完成予定年月が記されていないが、今の下北沢駅が遅かれ早かれ見納めになることは確かだ。

下北沢駅階段

普段は小田急線を利用する機会はないのだが、たまに乗ると、この下北沢駅がいつも気になる存在であった。
まず、地平を走る小田急線を、斜めに京王井の頭線が交差している様子からして興味深い。

下北沢駅

しかも、高架の下になった小田急の駅構内が薄暗く、しかもちょっとした迷路のようになっているのが楽しいのである。
私が小学生のときに降りて興味を抱いた当時と、駅のつくりがあまり変わっていないのだから驚く。

下北沢駅

この雰囲気をなんとか写真に収めようと思い立ってン十年、何度かこの駅を利用したことがあるのだが、カメラを持っていなかったり、持っていても乗降客が多すぎて写真を撮るどころじゃなかったりして、今回まで撮影に至らなかったのである。

下北沢駅

今回は用事があって、たまたま下北沢で乗り換えることになっただけなので、直前まで撮影しようということはまったく頭になかった。
だが、京王からの階段を降りながら、「今撮らなくては」と思い立ったのである。幸い、その用事のためにカメラを持っていた。
この機会を逃したら、この駅を撮るチャンスは永遠に失われていたに違いない。なにしろ、思い立ったときに写真を撮らず、あとになって悔やんだことは数知れない。それで私も学習したのである。
昼間だったので、乗降客もそれほど多くなく、なんとか撮影することができた。

下北沢駅

考えてみれば、以前は都内の駅で写真なんか撮るのは気恥ずかしかったなあ。
今では、デジカメや携帯、スマートフォンが普及して、誰でも手軽に写真を撮るようになった。おかげで、町なかや駅でカメラを構えていても変な目で見られなくなったのは幸いである。

下北沢駅

この駅の地下では複々線化工事が着々と進んでいる。完成時には、地下2階に緩行線、地下3階に急行線が走ることになるそうだ。コンコースも含めて、すみずみまでLEDで照らされた明るく清潔な駅になるに違いない。
どこか薄暗く、そして昭和の香りを色濃く残した、この下北沢駅も、やがて懐かしい記憶として語られるだけになるのだろう。

2012-11-04

イタリア・カンポバッソで出会ったネコ

カンポバッソで出会ったネコとはネコマンガ風に。

1.
カンポバッソのネコ1
「見慣れないやつが来たわね。ネコさらいかもしれないから、気をつけなさい」
「かあちゃん、こわいよぉ」

2.
カンポバッソのネコ2
「かあちゃん、まだ変な機械をこっちに向けてるよ」
「しっ、目を合わすんじゃありません!」

3.
カンポバッソのネコ3
「でも、ほら、見たことない機械だよ。色も赤くて変だし」
「ああ、あれなら大丈夫。ルミックスGF1という、古い型のデジカメよ」

4.
カンポバッソのネコ4
「なあんだ、そうか。緊張して疲れちゃった。もう寝ようっと」
「ホンっと、子どもは無邪気なもんね」
(おしまい)

以下、おまけ。

カステルヴェッキオ・ズベークオのネコ

炎天下、はるばる9kmを歩いてたどり着いたカステルヴェッキオ・ズベークオのネコ。昼休みでひと気のない路地にて、我ネコとたわむれり。

クールマイヨールのネコ

最後に、旅がはじまったばかりのころ、フランス国境のクールマイヨールで出会ったネコ。

というわけで、長々続いた今年の夏の旅の話も終わり……と言いたいところだけど、まだとんでもないエピソードがあったので、近況の合間にぼちぼち紹介していくことにします。

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著書

  • 社会人に絶対必要な語彙力が身につく本[ペンネーム](だいわ文庫)
  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
  • 『日本懐かし駅舎大全』(辰巳出版)
  • 『鉄道黄金時代 1970s──ディスカバージャパン・メモリーズ』(日経BP社)
  • 『国鉄風景の30年―写真で比べる昭和と今』(技報堂出版)
  • 『全国フシギ乗り物ツアー』(山海堂)
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