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2012-08-14

「低い土地」のはずが、階段路地で息も絶え絶えになったカンポバッソ

郊外の町、フェッラッツァーノから徒歩で40分ほどかけて、カンポバッソに帰還。時刻は19時をまわっていたが、まだ外は十分に明るい。
カンポバッソには3泊の予定なので、市内散歩はゆっくりしようと思っていたが、ついでだからと初日から町歩きをすることにした。

カンポバッソのヴィットリオ・エマヌエーレ2世通り

到着した日は金曜日。しかも夕方の散歩(パッセッジャータ)の時間だったから、新市街中心部のヴィットリオ・エマヌエーレ2世通りは、老若男女でごった返していた。

イタリアのほかの地方都市と同じく、たくさんの人びとが商店街を行ったり来たり。そして、広場にはベンチが用意されていて、ジジババたちが盛んにおしゃべりをしていた。
夕涼みをしている顔ぶれを眺めていると、これまで見てきたほかの町にくらべて、女性──しかも高齢者の比率が多いのが印象的だった。

カンポバッソのヴィットリオ・エマヌエーレ2世通り

この中心部は駅から400mほどのところに位置している。
さらに200~300mほど進むと、旧市街の入口があるらしいので、最後の力を振り絞って向かってみることにした。

カンポバッソの旧市街入口

旧市街の入口は、この写真のように、どこの町にもありそうな風景である。
だが、その先には恐ろしいほどの階段路地が待ち構えていたのだった。

しかも、踊り場が少なくて、かなり急である。
夜中に酔っぱらって足を踏み外したら、何十メートルも転がり落ちそうだ。

カンポバッソの旧市街

「おかしいじゃないか、Campobassoというのは、イタリア語で"低い土地""低い野原"という意味だろう。地名に偽りありだぞ!」

切れ切れの息の間に、私は大脳のなかで誰にともなく文句をつけていた。

町の名前が付けられたのは、おそらくこの旧市街しかなかったころだろう。そう考えると、なおさら、こんな小山のような町に、なぜ「低い」という名前を付けたのか疑問に思えてくる。

「責任者出てこい!」
そう言いたかったが、乗りかかった船、いや登りかかった階段である。
なんとかと煙は高いところに登りたがるというように、ここまで来たら一番高いところまで到達しなくては気が済まなかった。

カンポバッソの旧市街
さて、この丘上の旧市街に、なぜ「低い土地」という名前が付けられたのか。
その秘密は、翌日イタリアのガイドブックを読んで、ようやくわかった。

有力な説によると、ラテン語の"Campus vassonum"に由来しているとのこと。これは、「封建領主の土地」という意味らしい。
現代イタリア語の「低い」とは関係なかったのだ。


旧市街の頂上で私を出迎えてくれたのは、サン・ジョルジョ教会とモンフォルテ城砦。
そして、そこを群れ飛ぶ無数のツバメであった。

教会も城砦ももう閉まっていたが、周囲の眺めは抜群。南の方角には、下の写真のように、行ってきたばかりの丘上都市フェッラッツァーノが見えた。
あそこからここまで、ずっと歩いてきたかと思うと感無量である。

カンポバッソから見たフェッラッツァーノ

そして、この夜はもちろんカンポバッソのホテルに宿泊。
これにて、イタリア20州すべてに足を踏み入れて、しかもそのすべてで宿泊したことになる。
最後の州がこのモリーゼ州。その前が、1週間ほど前に行ったヴァッレ・ダオスタ(アオスタ谷)州である。

全20州踏破をした人はいても、全部で泊まった人はそうは多くないだろう。
今後私がこのことについて自慢をしても、我慢して聞いてやってほしい。

さて、次はイタリア全県かな……その前に、どれだけ県があるのか調べてみなくては。

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コメント

暑いところ、お疲れさまです。秩父周辺をはじめとして、埼玉の西半分は私もじっくり歩いてみたいなあ。
日本全県踏破(北海道の全支庁を含む)はかなり昔に実現したのですが、全県宿泊はと考えてみると、埼玉と福井が記憶にないような。
同じ東京近県でも、千葉、山梨、神奈川、茨城には泊まっているんですけどね。

お久しぶりです。そして、お疲れ様でした。全州踏破。すごい。私なんて、日本で全県踏破もしていない。

でも、今年の夏は今までとは、少し違う。引きこもらずに、出かけてます。秩父で、地味に巡礼してます。江戸時代のオリエンテーリングを体験ってところです。

コンビニないわ、蛇は降るわ、案外ワイルドな埼玉です。

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