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2012-07-13

高原に咲いた一輪の花: スルモーナ

アブルッツォの町めぐりでベースキャンプにしたのが、スルモーナ(Sulmona)の町である。
人口は約2万5000人の高原の町である。

ローマと緯度がほぼ同じ。直線距離で100km程度だが、途中に山脈が横たわっているので、まったく別の国といった感じののんびりした雰囲気。
キザにいえば、高原に咲いた一輪の小さな花のような町である。

この町には当初2泊で予約したのだが、結局4泊してしまった。
山岳都市めぐりにそれだけ時間を費やしたということでもあるが、こののんびりとした雰囲気も気に入った。

ガリバルディ広場

旧市街は1km×500mほどの楕円形をしていて、中心部には特別に許された車しか入れないようだ。
で、町の中心からちょっと外れたところに駐車場を兼ねたガリバルディ広場があるのだが、これがトップの写真のように雄大にできている。
広場の入口には、ローマ時代の水道橋がそこの部分だけ残されているから、そのアーチをくぐって広場に入るようになっている。

広場の中央には噴水。背景には教会をはじめとする古い建物。そして、その背後には山並みが借景のように控えているという見事な光景である。
「サンマは目黒に限るが、やっぱり広場はイタリアに限る」と納得した私であった。

旧市街の目抜き通り

さて、町の中心を地味に貫くのが、次の写真のコルソ・オヴィディーオ。つまり、オウィディウス通りである。オウィディウスは古代ローマの詩人で、ここスルモーナの生まれ。
とまあ偉そうなことを書いたが、文学部出身の私もオウィディウスは読んだことがない。

この町の人はみな読んでいるのかどうか知らないが、あちこちにオウィディウスゆかりのものがある。
何よりも町の中心にある広場には、下の写真のようにオウィディウス像が立っているくらいだ。
もっとも、ここも昼休みの前や夕刻には、ほかのイタリアの田舎町と同様、親爺連中のたまり場と化すのであった。

オウィディウス像と親爺連

じつは、この広場にはしゃれたバールがある。写真の奥に見える店だ。
3日目の昼下がり、あまりの暑さに一息入れようとテーブル席に座ったら、給仕にやってきたのが東洋人の女性であった。

年は30歳を少し過ぎたくらいだろうか。ふっくらとした顔が日本人のようでもあるし、中国人のようでもある。流暢なイタリア語だから、長く住んでいるのだろう。
注文のときはお互いイタリア語で済ましたが、ビールをおかわりしたときに聞いてみた。
すると、上海の近くが出身だという。あちらも私がどこの国の人間か気になっていたそうで、お互いに笑ってしまった。

なんだかんだといって、西洋の国にいると、東洋人同士はどこか相通じるところがあるものだ。
「日本のコイン持っていたら見せてくれる?」というから、ちょうど持っていた100円、50円、10円、5円、1円をプレゼントしたら喜んでくれた。
幸か不幸か500円玉は持っていなかった。

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イタリアの旅 北から南まで」カテゴリの記事

コメント

いや、現地で書きはじめて、もういい加減終わっていなくちゃならないんですが、なかなか進みません。
実にここはいい町ですよ。おっしゃるとおり、品がよくてこぢんまり、子どもたちも落ち着いている感じでした。週末の夜は、バールでフォークグループが伝統音楽(たぶん)を演奏していたりして、よろしい町でした。

忙しくてしばらくブログサーフィンできないうちに、旅行記始まっていたんですね。すっかり出遅れました。スルモナは、珍しく車でイタリア旅行したときに宿泊地として最後まで候補にあがっていたところで、メールでいつも「どうスルモナ?」としつこく書いて嫌がられていた思い出の街です(笑)
あらためて写真見るといい街ですねー。品よくまとまっていて、空気が綺麗そう。経済的に安定しているところなんじゃないですか?治安もよさそうです。やっぱ一度行ってみたいなあ。

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