アブルッツォの美しい山岳都市: アンヴェルサ・デッリ・アブルッツィ
前回までフランス国境のヴァッレ・アオスタ州にいたのだが、その後、トリノ、ミラノを通過して、はるばる中南部のアブルッツォ州までやってきた。
宿泊地はスルモーナ(Sulmona)。ここをベースキャンプにして、周辺の小さな山岳都市(というより山の村)を、路線バスでまわろうという魂胆である。
ところが、スルモーナに来てビックリ。そこそこの規模の町で、周辺の町への中・長距離バスが発着しているはずなのだが、バスターミナルがない!
橋の下の小さなスペースが、あらゆるバスの停車する停留所だとわかり、バスの時刻表を手に入れることができたのは翌日になってからのことだった。
それにしても、このあたりには、なんと魅力的な山岳都市が多いことか。
迷った末に、翌朝選んだのは、アンヴェルサ(Anversa)とスカンノ(Scanno)である。
スルモーナとスカンノのちょうど中間にアンヴェルサがあることを知って、これは一石二鳥だと、貧乏根性を発揮して一気にこの2つをめぐることにしたわけだ。ちなみに、アンヴェルサの正式な名称は、「アブルッツォ州のアンヴェルサ」という意味でアンヴェルサ・デッリ・アブルッツィというが、この周辺ではもちろんアンヴェルサだけで通じる。
スルモーナからアンヴェルサまでは約30分。
山の中にある町なので、降り間違えるわけがないのだが、危うく失敗するところだった。
詳しくは、そのうちにホームページ本館の「イタリア町めぐり」にでも書くが、「オレはアンヴェルサだ」と誇らしげに語るじいさまの話を聞いて、当然、アンヴェルサで降りるものだと勘違いした私が悪いのである。
単にアンヴェルサ出身だということだったらしい。
町なかには3つほどの停留場があるのだが、最後の町はずれで降りなかったら、しばらくは断崖絶壁に沿って走る道が続く。
大型車両がすれ違えない道の途中で降ろされたら、命がいくつあっても足りなかったところである。
もっとも、町の最上部で降りることができたために、冒頭の写真が撮れる場所まで、苦労せずにたどりつくことができたから、よしとしよう。
しかも、この町めぐりは、大半を下り坂を歩いただけですんだわけだ。
旧市街は、例によって車も入れない狭い坂道がくねくねと続いている。
それでも、家々がよく手入れされていて、壁も窓もきれいだったが印象的だった。
そして最後の写真は、この町の中心の小さな小さな広場である。
次のバスまでは1時間50分。当日は、平地では35度超という暑さだった。
最後の40分ほどを残して、あとはもう歩くのをやめた。
バールの椅子に座り、昼間からビールを注文。
乾燥した喉にアルコールがしみわたった。
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