京都・下京区新釜座町あたり(下)
さて、前回書いたところまでは表通りである四条通から眺めることができた。
でも、その先は行き止まりになっていると思っていた。
しかし今回、意を決して突き当たりまで進んでみると、道は右折して先に続いていたのだった。
路地──京都ではロージというらしいが、そのロージが鉤の手に曲がっていたのである。
そして、右折して30mほど進むと、今度は左折。
左右の家並みのなかには、木版画や布地をひっそりと扱っている店もあった。
左折すると町名は新釜座町から矢田町へと変わる。
古壁に打ちつけてある、年季もののホーローの住居表示もいい感じ。
仁丹の広告付きである。
そして数十メートルほど進むと、路地は綾小路通に出る。
「小路」と「通」じゃ、重複しているように思えるが、ここは京都である。それなりの立派な理屈があるに違いない。
こうして、約15分ほどの小さな旅は終わった。
急げば2、3分で通り抜けられる路地であるが、ひめやかでしみじみとした風情に満ちている。
祇園のあたりならいざ知らず、この付近では珍しいのではないか。
そして、綾小路通に出た角にあった立派な家は、京都市の重要文化財である杉本家住宅だと知った。
かつては呉服屋を営んでいたそうで、現在は保存会が公益財団法人となって家屋や庭の保存活動をしているという。
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